子宮筋腫の新しい治療法
子宮筋腫の一般的な治療については、「薬物療法」や「手術療法」に関してご紹介していますが、新しく保険適応になった治療や、現在はまだ保険適応ではないけれど選択肢の一つとして考えることができる治療法があります。
子宮動脈塞栓術(UAE)は、子宮筋腫を栄養している血管の中に、あえて血流を止める異物を流し込んで血管を詰まらせ、筋腫に栄養がいかないようにする治療です。筋腫への血流が途絶えれば、筋腫は小さくなっていきます。子宮全体を栄養している大きな血管はちゃんと血液が流れるようにしながら、筋腫の部分に枝分かれしている血管だけを詰まらせるので、子宮全体への悪影響は出ません。
今まで、UAEは自費の治療だったために、治療費が数十万かかってしまい、なかなか選択しにくいものでした。昨年UAEに使われる「エンボスフィア」という医療材料が保険で使えるようになったので、この材料を使ってUAEを行う場合にのみ、治療が保険で受けられます。同じ治療でも、使う医療材料が保険適応外のものになると、治療に関わるすべての費用が自費になってしまいますので、注意が必要です。
UAEのメリットは、手術と異なって入院期間も短く、治療の翌日から普通に動ける点や、薬物療法のように全身への副作用がないということです。デメリットとしては、十分に筋腫が小さくならない(症状が軽減しない)可能性があることや、まれに血流が途絶えた筋腫が「変性」という状態になり、そこに感染が起きて腹痛の原因になることがあります。
UAEの治療が受けられる病院は、まだ限られていますので、治療法として考えてみたいなという場合は、まずどこで治療を受けたいのかを自分で検索し、現在のかかりつけ医に紹介状を書いてもらうのがスムーズでしょう。