子宮筋腫の症状

子宮筋腫は、子宮の筋肉の壁にできる良性の腫瘍=コブです。小さいものも含めると、30歳以上の女性の3人に1は発見される、子宮の病気の中では最もメジャーなものですね。筋腫ができる原因は、はっきりと解明されていません。母親も叔母さんも姉妹にも筋腫があります、って人は割と多いので、何らかの遺伝的要素はあるのではないかと言われています。

筋腫ができる場所や大きさによって症状の出方は異なりますが、全く症状がなくて検診でたまたま発見される人も少なくありません。特に最近は、超音波検査が普及してきたので、触っただけでは発見できなかった小さな筋腫も発見されるようになってきました。

 

逆に自覚症状がある場合、一番多いのは過多月経や過長月経、つまり月経の量が多くて期間も長いので貧血になってしまうケース。筋腫が子宮のお部屋の中に飛び出していたり、子宮のお部屋を引き伸ばして変形させてしまうために、出血量が増えてしまうんですね。ひどいと、ナプキンが1時間持たなかったり、貧血が進みすぎて輸血が必要になることもあります。

月経量は人と比べることができないので、本当は過多月経なのに自分では異常だと気づかずに放置してしまうこともありますからちょっと注意が必要です。健康診断で貧血を指摘されたことのある人は、一度は婦人科で筋腫がないかチェックしてもらった方がいいでしょう。

 

筋腫が握りこぶし以上の大きさになると、自分でも下腹の辺りにしこりを触れることがあります。さらに大きくなりすぎると圧迫による症状が出ることもありますね。子宮の前には膀胱があるので、筋腫が膀胱を圧迫するとトイレが近くなったり、逆に尿がスムーズに出せなくなってしまいます。周りの腸を圧迫すれば便秘になりますし、尿管を圧迫すれば「水腎症」と言って腎臓が腫れてしまうこともあります。ただし、ここまでひどい症状が出るのは筋腫が相当大きくなってから。通常はそんなに大きくなる前に何らかの治療を勧められることが多いでしょう。

 

稀に、妊婦さんのようなお腹になって初めて婦人科を受診して、お臍の高さを超えるくらい大きな筋腫が発見される方もいらっしゃいます。「何となく太ったな~と思っていました」なんてのんきなことをおっしゃいますが、これほど大きくなると手術をするにしてもかなり大変です。

例え症状がなくても、年に1回は超音波検査を受けるようにして下さいね。