子宮内膜症の診断
内膜症の診断は、症状・内診所見・超音波検査やMRIなどの画像検査と腫瘍マーカーを組み合わせてしていきます。
生理痛ががひどくて婦人科を受診したら「内膜症の疑いがある」と言われた方も結構いらっしゃると思います。この「疑いがある」というのが曲者で、内膜症だと断定出来ているわけではないんですね。確実に内膜症だと診断するには、腹腔鏡検査をしてお腹の中の組織をとってこなければいけません。でも、生理痛がひどい人に片っ端から腹腔鏡検査をするわけにはいきませんから、内診で子宮の動きが悪くないか診たり、超音波で子宮や卵巣が腫れていないかなどを診ることで、内膜症が疑わしいかどうかを判断することになります。
超音波上、明らかに子宮が厚ぼったかったり卵巣が腫れていたりすれば、子宮内膜症の可能性がきわめて高いと言っていいでしょう。こういった場合は、内膜症の治療を開始した方がいいと言えます。
時々、超音波上は何も異常が無いけれど、生理痛がひどいだけという場合でも「内膜症かもしれない」と言われてしまう方もいらっしゃいます。内膜症の診断は、腹腔鏡検査をしなければ困難な場合も多いんです。だから、所見は何も無いけれど、内膜症の可能性も否定できないと言うのは、間違ってはいません。でも、言われた本人は「私は内膜症なんだ!」と、ショックを受けてしまったり、「もしかして不妊になるのかも」と不安になってしまう事が多いんですね。
もし「内膜症かもしれない」と言われたら、超音波上や内診で明らかな所見があるのか無いのか、ちゃんと確認してみることをおすすめします。
腹腔鏡以外の検査で内膜症であると「確定診断」することはできないんですが、実際は、内膜症の疑いがある人全員に腹腔鏡検査をするわけにはいかないので、超音波で明らかな卵巣の腫れが見つかったり子宮がはれぼったくなっていたりすれば「子宮内膜症の疑いが強い」と判断して治療を行っていきます。
検査の目的だけで腹腔鏡手術をすることはあまり多くありませんが、妊娠を望んでいてお腹の中の癒着の程度や卵管の通り具合を確認しておいた方がいい場合は、腹腔鏡検査をすることがあります。内膜症は不妊の大きな原因の1つなので、早い段階で診断をし、必要な治療を行っていく必要があるためです。
内膜症かどうか不安な方は、まずは婦人科で内診と超音波検査を受けてみましょう。