不妊症の検査
不妊に関する検査には色々なものがあります。
病院によって若干メニューは異なってくると思いますが、代表的なものをご紹介していきましょう。
1)基礎体温
「検査」ではありませんが、非常に重要なデータです。妊娠を目指すなら最低でも3~4ヶ月は続けてつけてみましょう。
2)ホルモン検査
血液検査でホルモンのバランスを調べます。調べるホルモンは、主に、LH・FSH・プロラクチン・卵胞ホルモン・黄体ホルモン、です。基礎値を調べるには、月経周期の3~5日目に採血をします。黄体ホルモンだけは、高温期に入って1週間目くらいに測るのが理想的です。
3)合併症の検査
血液検査で、甲状腺機能異常・糖尿病・自己免疫疾患などがないか、おりものの検査でクラミジア感染症がないかを調べます。検査の時期は、月経周期のいつでもかまいません。
4)超音波検査
子宮の形・大きさ・筋腫やポリープの有無、卵巣の状態を調べます。これも、月経周期のどの時期でもできますが、できれば排卵のちょっと前に診て、「卵胞」という卵の元がどのくらい育っているかを確認できると排卵の時期がある程度予測しやすくなります。
5)子宮卵管造影検査
子宮の出口から細いチューブを子宮内に入れ、造影剤を流して子宮の形及び卵管の通り具合を調べるレントゲン検査です。レントゲンを使う検査なので、必ず月経後から次の排卵まで(低温期)に行ないます。卵管の通りが悪い場合、検査をすると同時に、造影剤で圧力をかけて卵管を通す治療にもなりますので、毎月ちゃんと排卵があるのになかなか妊娠しないという場合は、この検査を早めに受けておいた方がいいでしょう。
造影剤の圧力で腹痛を感じる方は、かなりの頻度でいらっしゃいます。特に、卵管が詰まっていたりすると痛みを生じやすいのですが、卵管の通り具合は超音波では分かりませんので、不妊期間が2年以上の方は早めに受けておいた方がいい検査です。
6)フーナーテスト
排卵の時期にしか行ないません。朝チャンスを持って、すぐに受診していただき、頚管粘液(排卵の時期の増えるおりもの)の中の精子の運動具合を調べる検査です。頻度はそれほど多くないのですが、女性の頚管粘液と男性の精子の相性が悪く、精子が子宮内にたどり着く前に運動できなくなってしまう事があります。
このテストで、精子の運動が悪くなっている場合、人工授精の対象となります。
7)精液検査
男性側の検査で、泌尿器科でも産婦人科でもどちらでも受けることができます。不妊症の中で約3割は男性側に原因がありますので、この検査も早い時期にしておいた方がいいですね。中には、なかなかご主人の理解が得られずに検査を受けていただけないというケースもあるのですが、不妊治療は夫婦の二人三脚ですから、ぜひ2人できちんと向かい合っていただきたいな、と思います。
これ以外にも、必要に応じて、ホルモン負荷テストや腹腔鏡検査をする事があります。検査は保険がきくものと自費のものがありますので、受診前にあらかじめ確認しておくといいでしょう。