子宮頸がんワクチンで失神?!
クリニックでもすでに何人もの方が接種されている子宮頸がんのワクチン(HPVワクチン)ですが、主な副反応は局所=接種したところの腫れや痛みくらいで、重篤な副反応が起きた方はまだいらっしゃいません。
少し気になる記事を見つけたのですが、少し作為的な記事ですね。
<YOMIURI ONLINEより>
子宮頸(けい)がんワクチンの副作用として、気を失う例の多いことが、厚生労働省の調査でわかった。
接種者の大半が思春期の女子で、このワクチン特有の強い痛みにショックを受け、自律神経のバランスが崩れるのが原因とみられる。転倒して負傷した例もあるという。同省は「痛みを知ったうえで接種を受け、30分程度は医療機関にとどまって様子を見るなど、注意してほしい」と呼びかけている。
子宮頸がんワクチンは、肩近くの筋肉に注射するため、皮下注射をする他の感染症の予防接種より痛みが強い。昨年12月以降、推計40万人が接種を受けたが、10月末現在の副作用の報告は81人。最も多いのが失神・意識消失の21件で、失神寸前の状態になった例も2件あった。その他は発熱(11件)、注射した部分の痛み(9件)、頭痛(7件)などだった。
「気を失う例が多い」と書いてありますが、実際の発生件数からするとその確率は0.005%なので「非常にまれ」と言える頻度です。
副反応全体の頻度が0.02%ですから、ワクチンによる副反応自体がとても少ないと言えます。
接種によって気を失うのは、痛みによって「迷走神経反射」という反射が起きて血圧が下がってしまうためと考えられます。
電車で立っていたら急に立ちくらみのように気分が悪くなったり、朝礼などで「クラッ」となるのと同じ状態です。
命に関わる症状ではありませんし、横になって少し休めばすぐに血圧が戻って回復します。
筋肉注射に限らず、普通の採血や注射でも同じように気分が悪くなる方はいらっしゃいますから、この症状は「子宮頸がんワクチン」だから起きるものではないんですね。
子宮頸がんワクチンは、接種すると不妊になるとか死亡例もあるくらい危険なものだといった間違った情報が流れてしまう事もあるようですが、こういった情報に惑わされないようにしていただきたいなと思います。
ワクチンで不妊になることはありませんし、ワクチンそのものが原因で死亡する事もありません。
海外で報告されているワクチン接種後の死亡例の「直接死因」は、事故や自殺など明らかにワクチンとは全く関係ないものばかりですのでご安心下さいね。