子宮頸がんとHPV感染
子宮頸がんの検診で異常が出た方の中には、HPV検査を希望される方もいらっしゃいます。
検診の結果が「ASC-US」だった方は、HPVハイリスクタイプの検査が保険でできますが、それ以外の結果の方は自費での検査になります。
また、HPVのどのタイプに感染しているかを調べることで、今後持続感染するリスクや子宮頸がんに進んでいくリスクをある程度予想することができるので、タイピング検査を希望なさることもあります。
HPVタイピング検査は、約15種類あるHPVハイリスクタイプの感染の有無を調べる検査です。自費の検査になるので、12600円のご負担が必要になりますが、16型と18型に感染しているかどうかも確認できるため、今後ワクチンを打って明らかに効果が期待できない方を判別することが可能です。
子宮頸がん検診で異常が出ていても、治療が必要な段階までは進んでおらず、HPV16型か18型に感染さえしていなければワクチンを打つ意味はゼロではありません。
検診で異常が出てしまったからワクチン接種をどうしようか・・・と迷っていらっしゃる方は、まずタイピング検査を受けてみてはいかがでしょうか。
HPVは一度感染しても多くは持続感染せず自然に活動が抑えられていきます。HPVのタイプによって持続感染しやすいものと活動がおとなしくなりやすいものがありますが、ウイルスの活動が制御されればHPV検査は「陰性」になりますし、子宮頸がん検査の結果も正常化していくことが多いですね。
いったん感染したHPVを治療する薬はありませんので、自分自身の免疫力を高めて、持続感染・再感染を防ぐしかありません。
HPVは、性交渉の経験がある女性の8割が一生に1度は感染するといわれているくらい非常にありふれたウイルスです。10代や20代前半の感染率はほぼ50%というデータもあるくらいです。
性交渉の開始年齢をできるだけ遅くしたり、コンドームで予防を心がけることはとても大切ですが、100%予防する方法は感染前のワクチン接種以外にないのが現状です。
子宮頸がんの検査で異常が出てHPV感染が心配・・・という方は、お気軽にご相談下さいね。