ピルによる避妊は「不自然」なこと?
ピルは確実な避妊ができるだけでなく、月経量や月経痛を軽減したり、月経が来るタイミングを「自分で」コントロールできるため、女性が避妊にも人生にも主体的になるには非常に有効な手段の一つだと認識しています。
ピルに抵抗を示す方の中には、妊娠や月経を「薬でコントロールすること」が「不自然」だからとおっしゃる方も少なくありません。ピルを飲まないという選択に対しては、それがご本人にとってのベストであれば何も問題はないと思います。でも、ピルでコントロールすることは、本当に「不自然」なのでしょうか?
では、逆に、「自然」な状態とは、ピルを飲まずに想定外の妊娠をすることでしょうか?毎月月経痛で寝込むことでしょうか?仕事やレジャーの予定を月経に邪魔されることでしょうか?
そもそも生物学的に「自然」な生活をしようとするなら、排卵が来ると同時に妊娠し始め、妊娠出産を繰り返し、妊娠し終わったら命を終える、というサイクルになります。これなら確かに、避妊は必要ありませんし、何度も来る月経に悩まされることもありません。でも、これは「動物としての自然」であって「人間らしい生活」とは言えないと思いませんか?
人間は、文化や知恵とともに、生殖年齢を終えた後も長い寿命を手に入れ、「生殖を目的としない性行為」を行うようになってきたわけです。生殖を目的としない性行為を行う以上は、確実な避妊をする方が「自然」なのです。逆に、避妊をしないのなら、生殖を目的としない場合は性行為を行わないことが「自然」なわけです。
ピルは、文明の利器の一つです。女性が自分の意志で自分の判断で妊娠をコントロールできます。コンドームで男性任せの避妊をするのではなく、「今妊娠したいのかしたくないのか」を自分で考えて自分でコントロールすることが「自分の人生に責任をもって主導権を握る」ことにつながると、私自身は考えます。
同じ女性として、もっと、自分の人生に胸を張って、自らコントロール権を握って人生を歩んでほしいなと思うからこそ、ピルで確実な避妊をしたり、月経を自分の手でコントロールする方法をお伝えしているのです。