あなたは病気をやめられない人?あっさりやめられる人?~その5~

 

 病気をやめる8つのポイントの4番目は、「避けたいことをはっきりさせている」かどうかのチェックです。

 避けたいことをはっきりさせて、それが起きた時にどの様に対応するかをあらかじめシミュレーションしておくことを「海馬の調整」と呼んでいます。わかりやすく言うと、心の避難訓練をしておくということです。この海馬の調整をせずに、起きてほしくないことが予想外にどんどん起きてしまうと、体は健康を取り戻しにくくなるのです。  


 

 何か不都合が起きると、脳の「海馬」という場所が刺激されてコルチゾールというホルモンが分泌されます。このコルチゾールは「逃げるか戦うか」の状態を作るホルモンです。

 よく「サバンナでライオンに追いかけられている動物になった気分を想像してください」と言ったりしますが、食うか食われるかの状態で敵と戦うか逃げるかを強いられている時、体はどのような状態になるでしょうか。心拍数は上がり、血圧も上がり、呼吸は浅くなり、筋肉は緊張して、神経は張り詰め、食べたり寝たりはできなくなるでしょう。コルチゾールが出続ける状態というのは、この体の状態がずっと続いてしまうということです。

 これが続くと、医学的にはまず「自律神経失調症」という状態になり、時には高血圧や糖尿病や、さらには海馬がやられて認知症になったりします。  


 もし、避けたいことをあらかじめ想定せず、対処法を考えていなければ、脳の海馬はその避けたいことが起きるたびにダメージを受けていきます。ダメージを受け続けると、海馬は段々萎縮していってしまいます。

 すると、海馬の機能である「記憶を保存する」という能力が失われて行ってしまい、認知症になりやすくなるのです。  


 では、どうすればいいのでしょうか?

 実際にトラブルが起きる前に海馬に学習させておくと、いざトラブルが起きた時にコルチゾールが分泌されても、海馬はダメージを受けずにむしろ活性化してい区ことが分かっています。  

 例えば、お化け屋敷に初めて入った時は、何がどこから飛び出てくるかわからないから終始ドキドキしっぱなしになりますよね。ちょうど「逃げるか戦うかモード」と同じ状態になります。

 でも、同じお化け屋敷に2回目に入った時はどうでしょうか?「ここから骸骨が飛び出てくるから遠くを歩こう」「ここでドライアイスが出てくるから姿勢を低くしておこう」といった具合に、事前に対策を立てて、仕掛けの「一歩先」を行くことができますよね。  


 この、脳が「ああ、それ、想定内です」と認識しているということが、海馬のダメージを防ぐのにとても重要なカギになるのです。  


 では、実際はどういう質問で海馬の調整を行っていくのでしょうか?  

 それには、次の質問が有効です。  


 Q:健康を取り戻す過程で起こりうる避けたいことは何ですか?  

 Q:健康を取り戻した後に起こりうる避けたいことは何ですか?  


 実は、多くの人は「え?避けたい事なんてないです」「そんなことあるわけないじゃないですか」とおっしゃいます。でも、本当はたくさんあるはずなのです。

 病気をやめると家族にかまってもらえなくなるとか、嫌な仕事をしなければいけなくなるとか、親の気をひけなくなるとか、支給されていたお金がもらえなくなるとか・・・陰で握りしめている「病気でいるメリット」を、手放さなければならなくなるという、大きな避けたいことが存在するはずです。  


 実際は避けたいことが「ない」のではなく、それを考えることが「苦痛」に感じてしまうので初めから考えないようにしてしまうのです。  

 でも、実は「脳は逆に作用する」という特性があるため、「何をしたくないのか」「何を得たくないのか」をはっきりさせることによって、自分が得たいものがより明確になっていきます。  

 つまり、健康を取り戻すうえで「避けたいこと」が何なのかを明確にしていくと、何のために健康を取り戻すのか、健康を取り戻してどうなりたいのかがよりはっきりするというわけです。  


 ここで、ちょっと混乱する方がいらっしゃるかもしれません。

 最初のポイントの時に、「避けたいことを避けるために病気をやめようとする」ことを「問題回避」と言って、これでは病気はやめられないと解説しました。「避けたいことを明確にする」のと「問題回避」という思考パターンを使うことと、ちょっと似ているように感じるかもしれません。  

 「問題回避」は「避けたいこと」を「悪いこと」だと捉えて、それを見ないようにしたりふたをしようとしてしまうことです。一方、海馬の調整は「避けたいこと」を明確にしますが、それを「悪いことである」というジャッジはしないのです。だから目をそらすこともふたをすることもなく、ただ客観的に「それが起きたらどう対処するか」を考えるだけです。  

 甘い物が食べたいと思った時に、「今は酸っぱい物は食べたくありません」と認識して、酸っぱい物が出てきたら「これはいりません」というだけなのが海馬の調整で、「なぜ世の中に酸っぱい食べ物が存在するんだ!こんな物目の前から消してしまえ!」と酸っぱい物をゴミ箱に入れてふたをしてしまうのが問題回避です。    


 避けたいことが明確になったら、「それが起きたらどう対処すればいいか?」「それが起きる可能性は何%くらいか」「その可能性を上げたり下げたりしてみたらどのように感じるか」をシミュレーションしていきます。

 こういった避難訓練を随時していくことで、海馬がダメージを受けるのではなく活性化していく仕掛けを日常にちりばめていくことが可能になるのです。  


 次の記事では、5番目のチェックポイントである「無意識に求める欲求の方向性が間違っていないか」について解説していきますね。 


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