HPVワクチンとピルで女性の健康サポート
今日は生涯を通して女性の健康を考える「ウィミンズヘルスフォーラム」に出席です。
低用量ピルによる女性の健康サポートやHPVワクチンの可能性について、おなじみの先生方から新情報を収集してきました。
HPVワクチンについては、お母様が娘さんを連れて産婦人科を訪れて下さるいいきっかけになるということで、ワクチンによる子宮頸がん予防以上の様々な可能性があるとのことでした。
確かに、「産婦人科は妊娠したら行くところ」という昔のイメージを払拭したいと思っている私たちにとって、ワクチンが母から娘に「かかりつけ産婦人科医」を紹介するいいツールになることが期待されます。
お話の中で、来年中には発売される予定の4価HPVワクチンについても触れられていました。
4価というのは、予防できるHPVの種類が6型・11型・16型・18型の4種類という意味です。今発売されているHPVワクチン(サーバリックス)は、HPV16型・18型の2種類なので2価ワクチンといいます。
4価ワクチンと2価ワクチンの違いは、子宮頸がんの予防効果はほぼ同じですが、4価の方が6型と11型を予防できるので、これらが原因となる尖圭コンジローマや再発性呼吸器乳頭腫症の予防もできるという点です。
コンジローマは性感染症の一種で、一度かかると何度も再発する事があり、男女ともにセクシャルヘルスのQOLを非常に落としてしまう厄介な病気です。
再発性呼吸器乳頭腫症は、主に母子感染によって乳幼児に発症する喉にできるイボです。空気の通り道にイボができてしまうので手術が必要なのですが、何度も再発するため10回以上手術を繰り返す事も珍しくありません。
コンジローマにかかった妊婦さんから産まれる赤ちゃんが、この再発性呼吸器乳頭腫症になるリスクは、感染していない妊婦さんと比べると230倍になるといわれています。つまり、若い頃にコンジローマを予防する事が、自分の子どもの病気の予防にもなるという事です。
今までは、4価ワクチンの認可も発売もいつになるのか分からない状態でしたので、子宮頸がんの予防を急ぐ人は2価ワクチンを接種するしかありませんでした。
まだ4価ワクチンの発売日は未定ですが、「来年中」という事はある程度固まってきたため、この先半年~1年以内に性行動の開始の可能性がない場合は4価ワクチンの発売を待った方が予防できる病気の範囲は広がります。
すでに性交経験済みの方や、半年も待てない!という方は、やはり今すぐ接種できる2価ワクチンを接種するしかないのですが・・・
10代の方にワクチン接種を考える場合は、今すぐ2価ワクチンを打つか、4価ワクチンが発売されるまで待つか、性行動開始のタイミングを加味して考える必要がありますね。