遅延型フードアレルギーの治療目標は?
最近は「遅延型フードアレルギー検査」を希望して受診なさる方が増えてきました。
メディアにも取り上げられたりしているので、「もしかして自分の体調不良はアレルギーのせいなのかも」と思って検査を希望されるようです。
遅延型フードアレルギー検査について詳しく知りたい方は、こちら「http://be-proud-07.sakura.ne.jp/vivalita.com/food_allergy.html」をご覧くださいね。
私も検査をしてみて、卵・小麦・乳製品すべてに強い反応が出ていたので、結果を受け取ってすぐにこの3品目に関しては完全除去食に切り替えました。大豆も中くらいの反応が出ていたので、納豆を毎日食べるのをやめて、みそ汁のみそは大麦由来のものに変更することで、摂取する頻度を少なくするようにしました。
特に何か体調不良があったわけではないのですが、授乳中の母親に遅延型アレルギー反応が起きていると、アレルギーの原因となるIgG抗体が母乳を介して子どもに移行してしまう可能性があるため、直ちに完全除去食にしたわけです。
自分のためには頑張れそうになくても、子どものためだと思うとスッパリ食事内容を切り替えられるから不思議です。
アレルギー反応は、その原因となっている食品をただ除去するだけでは不十分で、同時に腸内の環境を整える必要があります。
なので、腸内の善玉菌を増やすサプリメントを併用しました。
食事を改善して3か月を過ぎたころから、食事をとった後に出ていたお腹の張り感がなくなって、多少食べ過ぎても全然苦しくなったりしなくなったのです。食べた後の何となくのだるさも出なくなり、症状がなくなってみて初めて「アレルギーによる不調が出ていたんだ」ということに気づきました。
除去食を始める前は、小麦を完全除去するなんて大変だ~と、ちょっとブルーになっていたのです。でも、実際アレルギー対応の食品を扱っているお店で調味料やスイーツを調達したり、調理法を少しだけ変えて完全除去できることを体験してみて、「完全除去でもこんなに食べられるものがあるんだ」と驚きました。
もっと食生活が不自由になると思っていたんですよね。食事制限と聞くと、「あれも食べられない」「これも食べられない」と感じるかもしれませんが、実際は自宅での食事は全くと言っていいほど不自由さを感じることはありません。
外食時はお店とメニューを厳選する必要はありますが、マイ醤油やマイドレッシングを持って行けば、外食も可能です。
アレルギーに限らず、食事制限をする時は「食べられないもの」に注目するより「食べられるもの」に注目してみると、「こんなにいろいろ食べていいんだ~」と感謝したくなると思います。
「ないモノねだりよりあるモノ感謝」の原理で、何が食べられるかを考えていくと、食事制限も案外辛くないものです。
遅延型フードアレルギーの治療の最終目標は、アレルギー反応を起こしていた食品を除去し続けるのではなく、その食品を食べても大丈夫な状態にすることです。
なので、食事改善と同時に腸内環境を整えて、いったん腸の炎症を治めたら、今度は再度アレルギーが起きないような方法で、除去していた食品を少しずつ摂取再開していきます。
きっと食事改善をしているうちに、どんな食事が「自分の体に負担にならないのか」が分かってくるのではないでしょうか。アレルギー反応は、自分が口にしている物を見直して、体の反応に耳を傾けるいいきっかけになってくれていると思います。