ラッピングを変えるとチョコの味が変わるのはなぜ?

  もうすぐバレンタインですね。皆さんは、誰にどんなチョコを用意していますか? 
 ここに、一見どこにでもあるそこそこおいしいトリュフがあります。このチョコを、次の3つのラッピングで渡した場合、味はどうなるでしょう?

1)コンビニで売っているチョコの器に入れてコンビニの袋に入れたまま渡す

2)いかにも手作り風のラッピングに入れて渡す

3)ゴディバの重々しい箱とラッピングに包んで渡す

 まず、もらった時の印象は同じでしょうか?きっと伝わる感情も変わってくると思います。1)だといかにも義理チョコだと思われるでしょう。味も安っぽく感じるかもしれません。2)だと、特別感や温かみが伝わるかもしれませんね。味も,実際よりおいしく感じようとするかもしれません。3)だと、高級感や背伸びしたい感じが伝わるかもしれません。味は「やっぱりゴディバは違うね」なんて思ってしまうかもしれません。
 もし、これらのチョコを食べた後「何円だと思いますか?」と質問したら、値段はどのようにつくでしょう。きっと、3)が一番高くなりますよね。人によっては2)を「プライスレス」だと判断する場合もあるでしょう。

 中身のチョコは全部同じです。でもラッピングを変えただけで、与える印象や値段まで変わってくるのです。私たちは、日頃からその事を理解して、無意識のうちにこの原理を利用しています。TPOに合わせてメイクや服装を変えるのも同じです。
 でも、残念ながら「目に見えないラッピング」に関しては、意識をすることがほとんどありません。そのために、本当はゴディバのラッピングをしておいた方がいい場面で、コンビニラッピングをしてしまって、いつまでたっても「低くみられる」ということが続いたり、逆に手作り風ラッピングが適している場面でゴディバのラッピングをしてしまって「距離が縮まらない」ということを繰り返したりするわけです。

 もしあなたが、今現在「どうにかしたいな」という場面や状況があるとしたら、まずはその場面で自分を「どんなラッピングにしているか」をイメージしてみてください。それは、その状況で相手に与えたい印象や自分が得たい感情にマッチしていますか?
 次に、その「どうにかしたい」状況がすっかりクリアになって理想の状態になった時の印象や感情をイメージしてみてください。その状況に合うラッピングはどんなものでしょうか?器は木ですか?陶器ですか?包装紙は何色ですか?リボンは?メッセージカードは?デコレーションは?細部までイメージしたら、そのラッピングの色を鮮明にしてみましょう。そして、そのラッピングにスポットライトを当てます。できれば、実際にイラストとしてそのラッピングを描いてみるといいでしょう。
 そうすることで、「自分を包んでいたラッピング」を本来必要な状態に書き換えることができます。重要なのは「入れ物」だったんです。中身ではありません。もし、まだラッピングをそのままにして中身を変えようと頑張っているのであれば、まずは「入れ物」をさくっと変えてみることをお勧めします。

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