妊娠中のトラブル
妊娠中のトラブル~便秘~
妊娠中は次のような様々な原因で便秘がちになります。
*ホルモンの影響で腸の動きが鈍くなる
*つわりなどで充分な水分・食物繊維がとりにくくなる
*運動を控えがちになる
*子宮が大きくなると腸を圧迫されて通りが悪くなる
基本的な対処法は妊娠していない時と同じです。
水分をしっかり摂る・食物繊維の多い食事を摂る・ヨーグルトや乳酸菌飲料を摂る・適度な運動をする・3~4日出ないようなら便秘薬を使うといった事を心がけてみて下さい。
つわりの症状が落ち着いていれば、主食を玄米にしてお野菜を中心とした食事にすることと水を1日1.5リットル以上飲むようにするといいでしょう。
ただ、妊娠中はあまり運動できなかったり、どんなに生活や食事を改善しても便秘になってしまうことがあります。あまり何日も出ないと、硬い便を出す時にお腹に余計な力がかかったりしますので、早めに薬で改善しておくことをお勧めします。
便秘薬のなかには、妊娠中に飲まない方がいいものもありますから、便秘薬を飲むときは産科で処方してもらった方が安心です。
日付:2011年4月11日 カテゴリー:妊娠中のトラブル
妊娠初期のトラブル~流産~
妊娠21週6日までの間に何らかの理由で妊娠の継続ができなくなった状態を「流産」と言います。
完全に赤ちゃんの成長が止まってしまったり子宮の外に妊娠の組織が出てきてしまった場合が狭い意味の「流産」で、出血やお腹の痛みなどが出現して「流産しかかっている状態」が「切迫流産」です。
切迫流産の主な症状は出血と下腹部痛です。妊娠のごく初期の切迫流産は薬による治療もできないので、基本的に安静にする事が一番の治療という事になります。
週数や状態によっては、止血剤や子宮の収縮を抑える薬を使ったり、入院してしっかり安静が保てるようにする事もあります。
流産の中でも、さらに細かく分類された言い方があります。
初期流産=流産の中でも妊娠初期(12週まで)の流産
完全流産=自然に妊娠組織が全て子宮外に出た場合
進行流産=自然に妊娠組織が出かかって出血が続いている場合
稽留流産=胎児心拍は止まっているが妊娠組織が子宮内にとどまっている場合
最も多くみられるのは、初期の稽留流産です。少量の出血や腹痛が出ることもありますが、自覚症状が全くなく受診してみたら胎児心拍が見えないと言われるケースも珍しくありません。
初期の流産は、約7分の1の確率で起きるので、一般の方が想像するより多いものなのです。原因のほとんどは偶発的におきる染色体の異常で、予防できるものではありません。
流産はご本人にとっては非常にショックが大きいことが多く、何がいけなかったのかと自分を責めがちですが、食べ物や生活習慣のせいではなく受精卵の染色体異常によるものですから、心配する必要はありません。
流産を3回以上繰り返す場合は「習慣流産」といって、免疫機能やホルモンに原因となる異常がないか検査をしたり、流産予防の治療をする対象となります。
日付:2011年4月10日 カテゴリー:妊娠中のトラブル
妊娠初期のトラブル~つわり~
妊娠すると様々な体の変化が起きてきますが、多くの方が最初に経験するのがつわりです。
吐き気・嘔吐以外によだれが多量に出るといった症状が出ることもあります。
吐き気が強くて食事が摂りにくくなったり、食べると吐いてしまうというケースが典型的ですが、中には空腹時の方が吐き気を強く感じてしまうため常に何か口にしていなければいけなくなる「食べつわり」の方もいらっしゃいます。
いずれも、早ければ妊娠5週くらいから症状が出始めて10週を過ぎると徐々に落ち着いてくる事が多いようです。中には16週を過ぎても気持ち悪さが続いたり、妊娠中はずっとスッキリしないままという事もあります。
つわりそのものは、妊娠によるホルモンの変化で起きてくるものなので、ひどくなければ治療の必要はありません。
食べられるものを食べたい時に欲しいだけ食べるというのが基本的な対処法になります。
空腹時に吐き気を感じる場合は、ポケットにビスケットや一口大のおにぎりなどを持っておいてこまめに口にすると楽に過ごせます。夜間寝ている時が一番空腹になりやすいので、枕元にもつまめるものを置いておくといいでしょう。
また、何度も吐いてしまうと脱水になりやすくなるのでこまめに水分は摂ることがポイントです。
飲料を飲むと吐いてしまう場合は、スポーツドリンクやフルーツジュースなどをシャーベット状にするか製氷皿で凍らせたものをあめのようになめると水分補給がしやすくなります。
受診が必要なのは次のようなケースです。
*何度も吐いて食べ物も飲み物も口にできない
*尿量が減って1日に4~5回しかトイレに行かない
*吐いたものに血液が混ざる
*体重が5キロ以上減り続けている
妊娠してすぐにつわりで体調が悪くなると、この先10ヶ月も自分の体はもつのだろうかと不安になるかも知れませんが、つわりは必ず落ち着いてきますから心配いりません。