婦人科の病気
妊娠検査薬はフライング可能?いつから陽性になる?【横浜駅近くの婦人科】
妊娠超初期にできること・フライング検査はできる?
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<<この記事の執筆者>>
清水なほみ 医師
日本専門医機構認定産婦人科専門医
ポートサイド女性総合クリニック院長
横浜駅徒歩6分。婦人科診療、ピル外来、月経困難症、PMS、子宮頸がん検診などを専門に診療。
参考文献:日本産科婦人科学会誌・産婦人科診療ガイドライン
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妊娠を希望している場合、排卵日を過ぎてから次の月経予定日までの期間中は気持ち的に落ち着かない時期になるかと思われます。ついフライングで妊娠検査薬を使いたくなってしまう方もいらっしゃいます。
生理予定日まで待ちきれずに、「この症状があったら妊娠しているかも」という症状に現在の体調が当てはまるかどうかをチェックする方もいらっしゃるかもしれませんね。
ネットでは、「妊娠超初期の症状」というキーワードで検索している方がたくさんいらっしゃいます。「妊娠超初期」というのはネット用語で、医学的に正しい用語ではありません。妊娠が成立したと言えるのは「着床」が成立してからなので、排卵日を過ぎてすぐの「妊娠2週○日」という表現は医学的には矛盾があるのです。
妊娠している可能性を示す症状は、排卵後の胸の張りが強かったり、高温期がいつもよりしっかりあって10日以上続いたり、吐き気などの「つわりっぽい」症状があったり・・・と言われたりしていますが、こういった「体調の変化」は月経前症候群でも見られることがあるので、症状だけで妊娠を推察することは困難です。
1人目の時は高温期の胸の張りが明らかにいつもより強かったけれど、2人目の時は普段通りだったのに妊娠していた、というケースもあります。
「妊娠」の確認は妊娠検査薬で
妊娠しているのかどうかは、妊娠検査薬で陽性がでるかどうかで確認します。妊娠検査薬は、妊娠組織から出る「HCG」というホルモンが尿中にどのくらい出ているかを見る検査です。
この「HCG」の濃度が一定以上になると、妊娠反応が「陽性」になります。妊娠検査薬の「線」や「印」が薄い時は、「HCG」の濃度がまだ低いけれどわずかながら出ていることを意味します。
生理の予定日から使える妊娠検査薬は、フライングで検査をしたい方に人気ですが、「HCG」が尿中に出ているかどうかを調べていることには変わりありません。少量の「HCG」でも陽性反応が出る、つまり試薬の感度がよいものが「生理の予定日から使える」ものなのです。
生理予定日の1週間後から使える妊娠検査薬は、陽性が出るために必要な「HCG」の濃度が、前述の検査薬より多いということです。
当院では、妊娠の可能性がある場合、まず尿検査による妊娠反応の確認を行っています。ご自身ですでに妊娠反応が陽性であることを確認なさっている場合は、尿検査は行わず超音波検査で妊娠の状態を確認します。
「妊娠検査薬はいつから使えるのか?」とよく質問されるのですが・・・排卵日がはっきりわかっている人は、排卵日から2週間後に検査をすれば、妊娠であればある程度判別できる濃さで陽性反応が出るはずです。
排卵日が不確実な場合は、排卵日と思われる日から2週間後に検査をして、陰性なら3~4日後に再度検査をしてみるとよいでしょう。
妊娠検査薬はフライングで使える?
時々聞かれるのが、「フライングで検査をする場合に最短でどのくらいで妊娠反応は出るのか?」です。
使用する妊娠検査薬の種類によっても異なりますが、生理予定日から使用できるタイプのものだと、妊娠3週5日くらいからうっすらと陽性反応が出ることがあります。排卵日から12日後くらいですね。妊娠3週3日や4日では、市販の妊娠検査薬では反応は出ません。
つまり、フライング検査をするにしても、2~3日のフライングが限界ということです。
妊活中だと、どうしても待ち遠しくてフライングで検査をしたくなる気持ちはわかりますが(私は1人目の時は妊娠3週5日で検査をしました・笑)、生理予定日3日以上前だと妊娠していても陽性反応が出ないことがあります。
結果を見て逆に気持ちが揺れ動いてしまうこともあるので、妊娠検査薬の使用は生理予定日を過ぎてからがよいでしょう。
生理の周期が安定している方でしたら、生理予定日4日後や5日後であれば、陽性反応を確認できます。
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ピルの連続服用と周期投与はどちらがよい?【横浜駅近く女医の婦人科】
ピルを休薬しない連続服用とは?
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清水なほみ 医師
日本専門医機構認定産婦人科専門医
ポートサイド女性総合クリニック院長
横浜駅徒歩6分。婦人科診療、ピル外来、月経困難症、PMS、子宮頸がん検診などを専門に診療。
参考文献:日本産科婦人科学会誌・産婦人科診療ガイドライン
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月経困難症つまり生理痛の治療薬として発売されているピルには「低用量」と「超低用量」があり「超低用量」のピルには「周期投与」と「連続投与」という2種類の服用方法が選択できるタイプがあります。
ピルは婦人科以外でも処方してもらえますが、「どの種類がいいのか?」「どういう飲み方がいいのか?」なども相談したい場合は、産婦人科でピルを処方してもらった方がいいかもしれません。
当院でも、「ほかの病院で処方されたピルが合わない」「もっと安いピルはないか?」といったご相談を頂くことがあります。
「周期投与」は、「周期的に月経様出血(消退出血と言います)を起こす」方法で服用するという意味です。21日間実薬を服用し、7日間休薬するか、24日間実薬を服用し4日間偽薬を飲むことによって、28日サイクルで定期的に消退出血を「来させ」ます。
一方、「連続投与」は、実薬を服用する期間を引き延ばすことによって消退出血の間隔を28日よりも延長して「年間の出血回数を減らす」方法です。
具体的には、実薬を77日間服用して7日間休薬するタイプと、実薬を最長120日まで連続服用して4日間休薬するタイプがあります。簡単に言うと、毎月休薬せず、3~4か月に1回休薬することで、消退出血の回数を年間3~4回に減らすことができるということです。
連続投与のメリットは?
毎月ピルを休薬する「周期投与」のメリットは、「生理が毎月来る」ことで安心感を覚える方にとっては「周期が整う」というメリットがあります。また、毎月出血を確認することで「妊娠していないことの確認」をしている人にとっても、周期的に出血があることが安心につながるでしょう。
しかし、医学的には毎月出血を「わざわざ来させる」メリットはなく、むしろ、トータルの出血量が増えたり、毎月痛みを感じることによるデメリットの方が大きくなる可能性があります。
実際、内膜症のリスクはトータルの出血量と比例して高くなるというデータもありますので、毎月出血を来させるより年間3~4回の出血で済ませた方が内膜症リスクも減らすことができるのです。
ピルを休薬せずに次のシートを飲む「連続投与」のメリットは、出血回数を減らすことによって、月経前後の不調を感じる回数を減らし、貧血も予防でき、内膜症リスクも下げることができるという点が挙げられます。
ピルを飲んでいても、PMSの症状が休薬前から休薬中に出てしまうという場合も、休薬の回数を減らすことによって、不調が出る期間を減らすことが可能です。
休薬しないデメリットは?
休薬せずに飲み続けるデメリットとしては、連続服用している途中で不正出血が起きてしまうことがあるという点です。長期間服用し続けることによって、途中の不正出血は起きにくくなりますが、患者様のお話からの印象ですと、飲み初めの3~6カ月間は「3シート連続しようと思ったけれど途中で出血してしまった」といったことが起こりうるようです。
どのくらいまで飲み続けると出血が起きるのか、自分のリズムがつかめてくると、思わぬ出血が起きる前に休薬をとったりしてうまくコントロールしていけます。
よく、「出血が来ない間は子宮の中に『不要なもの』がたまっていくのですか?」ということを質問されますが、ピルの働きとして出血の元となる「内膜」を「厚くさせない」という効果があります。なので、飲み続けている間も子宮の中に内膜が「たまらない」ようにしているのです。
毎月子宮から出血させないと、余分な血液がたまったり、体の中に「デトックスできない」ものがたまる、という心配は全くありません。そもそも、生理の時に出てくる血液は、子宮内に作られた「内膜」であって、体内にたまった「毒素」ではありませんので、月1回の出血で「デトックス」しているわけではないのです。
実際、28日周期で出血を来させていた時よりも連続服用した時の方が出血量が減ってきたという方の方が多いので、「3カ月出血を止めていたら3か月分たまりにたまった分がどっと出るのではないか」という心配は不要です。
当院では、すべての種類のピルを処方しています。
ピルの種類も徐々に増えてきていますから、ぜひご自身のライフスタイルに合ったピルをチョイスしてみてくださいね。
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日付:2026年6月30日 カテゴリー:生理痛
腟カンジダの薬を入れると白いカスが出る?【横浜駅近く女医の婦人科】
「腟カンジダ」は性交渉していなくてもなる?
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清水なほみ 医師
日本専門医機構認定産婦人科専門医
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「腟カンジダ」は性行為とは関係なく発生する、おりものの異常や痒みを伴う膣や外陰部の炎症性疾患の一つです。白っぽい塊状のおりものが増えるのが特徴的で、「外陰部腟カンジダ症」や「カンジダ腟炎」と呼ばれることもあります。
「カンジダ」という真菌(カビ)の一種が腟内で増殖することによって引き起こされるもので、性行為の経験がない若い方でも発症することがあります。
時々、腟カンジダが「性病だ」と勘違いなさっている方がいらっしゃいます。当院の患者様の中にも、「性行為の後に痒みがでて、すごい焦っちゃって・・・」とご相談にいらしたり。
「性病だと思ってたので恥ずかしくてなかなか受診できませんでした」という方もいらっしゃいます。
「腟カンジダ」は性病ではありませんのでご安心ください。
「腟カンジダ」になる原因は?
カンジダそのものは皮膚の表面などに付着している比較的ありふれた弱い雑菌で、通常は膣内に紛れ込んでも「自浄作用」によって洗い流されます。
タンポンやナプキンを長時間取り替えられなかったり、冷えや寝不足などによって自浄作用(本人の免疫力)が落ちたり、抗生物質を服用したりすることで、通常は増えないはずのカンジダが腟内で増えすぎると「腟カンジダ」になることがあります。
また、よく「抗生物質を飲んだらカンジダになる」と言われているのは、膣内を守っている善玉菌が抗生物質でいなくなってしまうからです。
腟内には、酸を産生して膣の中を守ってくれている善玉菌がいます。この菌のおかげで、カンジダ=真菌(カビ)は増えにくくなっているのです。
抗生物質を飲むと、良い菌も悪い菌もいっぺんに抑えられてしまうため、一時的に腟内が無防備な状態になってしまいます。その時に、膣内にカンジダがいると、兵隊がいなくなった隙に暴れてしまう、という現象が起きやすくなります。
「腟カンジダ」の症状は?
「腟カンジダ」の主な症状は、白いポロポロしたおりものと腟内や外陰部のかゆみです。炎症がひどくなると、外陰部がヒリヒリしたり腫れぼったい感じが出ることもあります。
おりものの状態は、よく「カッテージチーズ」「酒粕」「消しゴムのかす」といった表現で説明されますが、普段のおりものよりも塊になっているものが増えて、ひどいと黄色や黄緑色に見える場合もあります。
軽いと、上澄み液が混ざったヨーグルトのような感じになることもあります。明らかな塊のようなおりものになっていなくても、おりものが増えて少し酸っぱいにおいが強くなった時などは、カンジダが悪さをしていることもあります。
痒みは、膣のふちや、ひだ(小陰唇)の内側がかゆくなることが多いですが、範囲が広がると、尿の出口周囲や肛門周囲まで痒みの範囲が広がることもあります。
腟内が痒くなることもしばしばあり、少し腫れた感じやあつぼったい感じに感じられるのが特徴です。実際は外陰部は腫れていないのに、「腫れたように感じる」痒みが出るのが特徴です。
痒みや炎症がひどくなると、石鹼や尿がしみる場合もあります。また、かゆくて無意識にひっかいてしまうと、皮膚を掻き壊してしまい、ひりひりする原因になることがあります。
痒みが強い時は、氷水につけたガーゼやタオルを外陰部にあてて冷やすと、痒みが落ち着きやすくなります。できるだけひっかかず、鎮静するようにしましょう。
「腟カンジダ」の検査は何をされる?
おりものが増えたり、痒みが気になるといった症状で婦人科を受診した場合、まずはおりものの中の菌を調べる検査を行うのが一般的です。当院でも、カンジダかどうかを診断するためにおりものの検査を行います。
内診が可能な方の場合は、クスコという内診用の器具を使って腟内の状態やおりものを観察し、おりものをぬぐい取って検査を行います。病院によってはその場で結果が出ることもありますが、当院の検査では1週間程度で検査結果が分かります。
内診ができない方の場合は、クスコは使わず、表面に付着したおりものをぬぐい取って検査を行います。外陰部を綿棒で少しこするだけなので、痛みは伴いませんが、下着を取って検査を受ける必要があります。
当院では、小学生や中学生でも痒みを訴えて受診なさるケースがあります。内診台に上がるのが難しいご年齢の方は、ベッド上で外陰部の表面だけ確認させていただいています。
また、外陰部の皮膚の状態を目で見て、ある程度炎症が強いかどうか、ヘルペスやコンジローマの可能性がないかを確認します。
「腟カンジダ」の治療で腟剤を入れると白いカスが出る?
「腟カンジダ」の治療は、カンジダを抑える薬を腟内に入れるか内服します。性行為の経験がない方は、内服薬の方が使いやすいので、症状や年齢に応じて腟剤と内服薬を使い分けます。
外陰部の皮膚にも炎症が広がっている場合は、塗り薬も併用することもあります。
婦人科で検査をした時に、明らかに「腟カンジダ」が疑われる場合は、その場で腟内を消毒してカンジダを抑える腟剤を入れることもあります。
この「膣内に入れる薬=腟剤」は、座薬のようにタブレット状になっていて、膣の中で徐々に溶けるつくりになっています。入れた直後から表面がとけ始めますが、通常は数日かけてゆっくりとけます。
なので、腟剤を入れた後2~3日経ってから、溶けだした腟剤がおりもののように流れ出てきたり、ぽろぽろしたカスが出てくることがあります。診察の2~3日後に白いカスや塊状のものが出てきたら、それはお薬の破片である可能性が高いのでそのままにしておきましょう。
カンジダの薬を入れた後、白いカスのように出てくるのは、腟剤を入れた直後というよりは数日後からのことが多く、たいていは2~3日でなくなります。「カンジダの治りかけにおりものが増えた」「白いカスはいつまで続くの?」といったご相談もありますが、痒みが落ち着いていれば1週間程度で徐々に改善することが多いので数日間は様子を見ても大丈夫です。
たまに、お薬が合わずに、溶けだしてきたものでひりひりしてしまう方がいらっしゃいます。外陰部に薬の破片が付着してしみる場合は、軽くシャワーで外陰部を洗い流すとよいでしょう。
また、薬を入れたのに痒みが続く場合は、腟剤が溶け出したせいというよりも、ほかの原因で炎症が起きている可能性もあるので、再度診察を受けた方が安心です。
治療してもらったはずなのに、急におりものが増えたように感じられるとビックリするかもしれませんが、腟剤を入れた後であればお薬が溶け出してきているだけなので大丈夫です。
もし、腟剤を入れてもらってすぐ翌日に全部出てきてしまったりした場合は、治療が不十分になる場合もあります。カンジダの薬を入れたのに痒みやおりものが続いていたら、再度受診することをお勧めします。
「腟カンジダ」に関するよくある質問
Q:腟カンジダは性病ですか?
A:違います。性行為の経験がなくても腟カンジダになることがあります。
Q:腟カンジダが治りません。完治することはできますか?
A:カンジダそのものは弱い菌なので自然に治ることもあります。痒みが続く場合は別の炎症が起きている場合もありますので、自己判断せず受診しましょう。
Q:腟カンジダを繰り返しています。予防する方法はありますか?
A:まずしっかりと投薬治療を行っていったん完治させることが重要です。また抗生物質を継続的に服用している場合や糖尿病のコントロールが悪い場合も繰り返しやすいので、処方医に相談してしっかりコントロールしましょう。難治性の場合は、カンジダの内服薬で治療を行う場合もあります。
Q:カンジダを繰り返すと不妊になりますか?
A:カンジダは不妊の原因にはなりませんのでご安心ください。
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清水なほみ 医師
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参考文献:日本産科婦人科学会誌・産婦人科診療ガイドライン
日本性感染症学会誌
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日付:2026年6月29日 カテゴリー:おりものの異常,婦人科の病気
生理痛と月経困難症【横浜駅近くの婦人科】
「生理痛」は婦人科の「病気」?
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清水なほみ 医師
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生理の時に多少下腹が痛くなったり腰が重くなったりするのは、子宮の周りに血液が滞るせいなので、特に「異常」というほどのことではありません。むしろ、生理の時も全く無痛という人の方が珍しいでしょう。
生理の初日や2日目に下腹の痛みがあるけれど痛み止めを飲むほどではないし、学校や仕事にも特に支障はないという人は、日ごろから体を冷やさないようにしたり、定期的な運動の習慣をキープすれば大丈夫。定期検診を受けて、子宮や卵巣に異常がないことを確認していれば、病気の心配をする必要もありません。
生理痛が問題になるのは、痛みが非常に強くて日常生活に支障が出たり、毎回痛み止めを何錠も飲まなければいけなかったりするケースです。生理のたびに寝込んで仕事を休むような人は、「単なる生理痛」と放置していてはいけません。
特に、以前は効いていた痛み止めが効かなくなってきたり、痛み止めが効いている時間が短くなってきていたりしたら要注意です。この場合、生理痛の原因となる病気が進んできている可能性もありますから、早めに婦人科を受診する必要があります。
生理痛がひどい時に行う検査は、「超音波検査」です。内膜症が疑われる場合は、血液検査で腫瘍マーカーを調べたり、生理の量が多い「過多月経」も伴っている場合は貧血の有無を調べたりすることもあります。超音波検査は、生理中でもできますが、異常なほどの出血があるなどの緊急性が高い場合を除いては、生理中ではない時に検査を受けた方がよいでしょう。
婦人科的検査に抵抗があるかもしれませんが、性行為の経験がない人は、お腹の上から超音波検査を行うこともできます。
生理痛で冷や汗が出て倒れたり、救急車を呼ぶほどの痛みが出る場合は、すぐに婦人科を受診しましょう。生理痛だけではなく、頭痛や吐き気が一緒に出て寝込んでしまったり、痛みのせいで意識が飛んでしまうような場合も、直ちに受診が必要です。
例え今は何も異常がなくても、放置すると将来の子宮内膜症リスクになりえます。
ひどい生理痛は月経困難症
寝込むほどの生理痛は、「月経困難症」という病気になります。月経困難症は、痛み止めがなければ我慢できないほどの生理痛が一番特徴的な症状です。中には痛みがひどすぎて立ちくらみを起こしてしまったり、吐き気を伴ったりする人もいます。
時々、「腹痛を起こした若い女性が駅で倒れました」と救急隊から連絡が入ることがあるんですが、救急車で運ばれてきた方を診察してみると実は生理痛がひどすぎて倒れただけだった、ということも少なくありません。救急車を呼ぶほどの生理痛でなくても、痛みのせいで学校や仕事を休まなければならない場合は、「病気」のレベルと言えます。
月経困難症は、ひどい下腹部痛以外にも、頭痛・めまい・腰痛・下痢などの様々な症状が出ることがあります。なぜこんな症状が出るのかというと、痛みを伝える「プロスタグランジン」という物質が子宮のお部屋の中の「子宮内膜」からたくさん放出されてしまうからなんです。プロスタグランジンは、痛みを伝えるだけではなく、腸を動かしたり血管の壁を収縮させたりする働きを持っています。生理の時期に子宮内膜が分厚くなると、このプロスタグランジンが出すぎて様々な症状を引き起こすことになります。
異常がなくてもひどい生理痛は治療が必要
診断は、基本的に「自覚症状の強さ」で判断します。つまり、客観的に月経困難症かどうかを診断する「検査」はなくて、本人がどれだけその痛みやその他の症状で困っているかが判断基準になるというわけです。
血液検査などのように数値で表すものがないだけに、どの段階で受診や治療が必要なのか自分では判断がつかないかもしれません。
受診のタイミングの目安としては、毎回痛み止めが必要なほどの痛みがある・生理痛で寝込むことがある・痛み止めを飲んでもあまり効かない・生理痛以外にも症状がある・痛みが年々ひどくなっている、などの場合、婦人科で検査や治療を受けた方がいいでしょう。
もちろん、そこまで痛みはひどくないけれどもっと快適に月経期間を過ごせるようにしたい、という場合も婦人科で相談することをお勧めします。
救急車で搬送されるほどの生理痛だったとしても、検査をすると何も異常が見つからないこともあります。ひどい生理痛の原因として多いのは、子宮内膜症や子宮腺筋症ですが、これらの病気が超音波検査やMRIで見えるサイズになっていない場合、「検査では異常がないけれどひどい痛み」が出ることはあります。もちろん、検査をしてこれらの病気が見つかった場合は、放置せず適切な治療を受けましょう。
生理痛は我慢するものではありません。改善する方法があるのに、何もせず毎月月経のたびに憂鬱な気分で過ごすのは「あなたらしさ」をちょっと取りこぼしているかもしれません。適切な治療や生活改善で、快適な毎日を手に入れることが可能です。
月経困難症の治療はピルか対症療法
救急車で運ばれるほどの生理痛であれば、例え画像上何も異常がなくても治療が必要です。
また、そこまでひどい生理痛ではなくても、痛みのせいで何らかのパフォーマンスに影響が出ている場合は、「薬による治療」も視野に入れた方がいいでしょう。
生理痛の治療は、大きく分けると
*ピルや黄体ホルモン剤によるホルモン治療
*痛み止めや漢方による対症療法
があります。
ホルモン療法に抵抗があるという場合や、痛みがひどい月とそうでもない月があるという場合は、まずは、漢方薬で体を温めて、痛い時だけ痛み止めを飲むといった対処をしてみてもいいでしょう。
痛み止めが効かない場合や、過多月経も伴っている場合は、ホルモン療法を選択した方がよいと言えます。特に、生理の量が多くて貧血になっている場合は、放置してはいけません。
ピルは、卵胞ホルモンと黄体ホルモンが混ざった合剤です。卵胞ホルモンが入っているので、吐き気や頭痛などの副作用が出る場合があります。ただ、こういった副作用で「ピルが飲めない」という人はごく稀です。ほとんどの方は、「飲み初めにちょっと気持ち悪かったけれどすぐに慣れた」とおっしゃいます。
副作用がなければ、ピルは、生理痛を軽くしてくれるだけではなく、生理前の不調を改善したり、生理が来る日を自由にコントロールできるというメリットがあるので、女性の生活の質を非常に改善してくれます。
たまに、「ピルを飲んだら余計に生理痛がひどくなった」という方がいらっしゃいます。ピルの種類によって、痛みや出血量がどのくらい軽くなるかの差があります。
1つの種類で十分な効果が得られなかった場合、別の種類に変えたり、連続服用することで症状が改善する場合もありますので、医師に相談してみるといいでしょう。
何らかの血栓リスクがある場合や、吐き気でピルが飲めない場合は、黄体ホルモン剤が適しています。
ピルと同様に排卵を抑えて生理の量を減らすため、血栓症のリスクは上げずに生理を軽くしたい人にお勧めです。
どの治療が適しているのかは、生理痛のひどさや、個々の生活スタイルにもよりますので、一度婦人科で相談してみてください。
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日付:2026年6月29日 カテゴリー:婦人科の病気,生理痛
卵巣がんの初期症状【横浜駅近く女医の婦人科で相談を】
卵巣がんは早期発見しにくい?
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卵巣は、子宮の両側に左右1個ずつある、親指の先くらいの小さな臓器です。この卵巣から、2種類の女性ホルモンが分泌されています。
卵巣は別名「沈黙の臓器」と呼ばれており、卵巣にできた病気は自覚症状が出にくいために早期発見しにくいのが特徴です。
卵巣にできる悪性腫瘍、つまり「卵巣がん」は、40代から増えて50~60代で最も多く見受けられる女性特有のがんです。初期には症状は出にくく、中には、かなり進行した卵巣がんでも卵巣の大きさそのものは正常と同じというケースもあるため、初期に見つけるのがとても難しいがんです。
卵巣がんの初期症状は、ほぼ「ない」と考えた方がよいでしょう。
卵巣がんは早期発見が難しい?
卵巣がんをどのように早期発見できるのかを検証したデータはいくつかありますが、いずれも有効な方法が確立されいません。
海外のデータでは、自覚症状がない人に定期的に超音波検査をすることで、卵巣がんによる死亡リスクが下げられるかどうかを検証しましたが、検査をしてもしなくても「差がない」という結果でした。
では、卵巣の確認のために超音波検査をすることは「意味がない」のでしょうか?前述の検証は、あくまで「何も症状がない人」についてのデータです。
腹痛・腹部の違和感・腹部の張り・便通の変化など、何らかの腹部症状がある人の場合、むしろ超音波検査は「した方がいい」と言えます。
卵巣がんの症状はほとんどありませんが、初期で見つかるケースもあります。なんとなくのおなかの違和感や、ちょっとした生理不順などを放置せず、「念のため」で検査をしたらたまたま見るかるということもあるのです。
卵巣がんの早期発見のために超音波検査は受けた方がいい?
少なくとも、次のようなケースでは、婦人科で超音波検査を受けた方が安心です。
*月経痛がひどい
*月経期以外の出血がある
*月経期以外の腹痛がある
*時々下腹部の鈍痛や違和感が気になる
*便秘がち
*お腹の張りやガスのたまりが気になる
*内膜症で卵巣が腫れていると言われている
また、低用量や超低用量のピルを服用することで、卵巣がんのリスクを下げられるというデータがあります。毎月の排卵が抑えられるため、排卵に伴う卵巣のダメージを防ぐことができるからです。
卵巣がんは40歳以上の方に増えてくるものですが、成熟奇形腫や内膜症によるチョコレート嚢腫は若い方でも発生することがあります。
少しでも気になる症状があれば、婦人科超音波検査を受けるようにしましょう。
日付:2026年6月28日 カテゴリー:卵巣がん・卵巣のう腫
生理不順はピルをやめたら元に戻る?【横浜駅近く女医の婦人科】
ピルは生理を整える作用がある?
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横浜駅徒歩6分。婦人科診療、ピル外来、月経困難症、PMS、子宮頸がん検診などを専門に診療。
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生理不順(月経不順)の治療は、大きく分けると漢方薬を使った間接的な治療と、ピルや黄体ホルモン剤を使ったホルモン治療に分けられます。
最近は、保険で使えるピルの種類が増えてきたこともあり、生理不順の改善目的でピルを処方されている方も多いのではないでしょうか?
ピルを飲むと、女性ホルモンがバランスよく補われた状態になりますので、定期的に出血が来るようになります。そのため、生理の周期を整える方法のひとつとして、ピルは有効です。
また、多嚢胞性卵巣症候群や排卵障害で、ホルモンがアンバランスになっていた場合は、それらを整えてくれる作用もあります。ピルの種類によっては、男性ホルモンを抑える作用もあります。男性ホルモンが高くなりすぎている場合は、その影響でニキビや多毛などの「男性化兆候」が表れることがあります。男性ホルモンを抑える作用があるピルは、それらの症状の改善も期待できます。
ピルは排卵を改善させる?
ピルを服用している間は、排卵は抑えている状態になりますので、厳密な意味で「排卵を促す治療」にはなりません。
ピルで排卵を抑えることで、一時的に卵巣をお休みさせてあげることができるので、ピルをやめた後の排卵が起きやすくなる可能性はあります。
よく、「ピルを飲んでいれば生理は来るけれどピルをやめたら生理不順になるので、ピルは生理不順を改善しているわけではないのですか?」という質問を受けることがあります。
ピルは、「飲んでいる間はホルモンバランスを整えて、定期的に出血を来させることができる」ものです。
ピルを飲んでいる間に、男性ホルモンが下がったり、LHとFSHのアンバランスさが改善したり、卵巣の「排卵しにくさ」が改善すれば、ピルをやめた後も月経は順調に来るようになります。
逆に、ピルを飲んでも、卵巣そのものの働きが改善しなかったり、「排卵しにくさ」が続いていると、ピルをやめた後に生理不順の状態に戻ってしまいます。
ピルを飲むことによって、その後の排卵が起きにくくなったり、不妊症になるという心配はありません。通常は、服用を中止したら、服用前より排卵しやすくなっているか、「服用前のまま」かのどちらかです。
ピルはいつまで飲まなければいけない?
生理不順の治療目的でピルを飲む場合、できれば6クール(6シート)は継続した方がベターです。
ホルモンのアンバランスさを整えたり、将来的な子宮体癌のリスクを下げるには、6か月は継続して治療した方が効果的だからです。
10代の方が、ピルで生理不順の治療を行う場合は、6か月以上継続した後にさらに継続するのかいったん中止するのかを相談して決めます。受験や部活のスケジュール的に、生理がいつ来るのかがはっきり分かったり、生理の日を調節できた方が便利な期間中は、ピルを継続しておいた方がよいでしょう。
20~30代の方で、避妊も必要という場合は、6か月でピルをやめずにそのまま避妊もかねてピルを継続することをお勧めしています。
避妊が不要になった時や、妊娠を希望した段階でピルをやめた方が、トータルのメリットは大きいと言えます。
ピルで生理不順は治らない?
ピルで、ひとまず定期的に月経が来るようにしたり、足りないホルモンを補うことは重要です。
特に、多嚢胞性卵巣症候群で月経が不規則になっている場合、ピルで定期的に出血を来させておいた方が、将来的な子宮体癌のリスクを下げることにつながります。
ただ、ピルを飲むと同時に、「なぜ生理不順になったのか」を考えて、食事や生活習慣を見直したり、適切な体重にコントロールしたりすることも重要なのです。
ピルをやめた後にすぐに生理不順に戻ってしまう場合は、何を改善すれば自然な生理が定期的に来るようになるのかを、生理不順の原因から逆算して考えてみるとよいでしょう。
日付:2026年6月28日 カテゴリー:生理不順
ASC-US(アスカス)で「がん」の診断になることはある?【横浜駅近くの婦人科】
「ASC-US(アスカス)」はどういう意味?(横浜近くの婦人科で相談を)
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日本専門医機構認定産婦人科専門医
ポートサイド女性総合クリニック院長
横浜駅徒歩6分。婦人科診療、ピル外来、月経困難症、PMS、子宮頸がん検診などを専門に診療。
参考文献:日本産科婦人科学会誌・産婦人科診療ガイドライン
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会社の健診などでうけた子宮頚がん検診の結果で「ASC-US」だった場合、通常は「早めに婦人科を受診しましょう」と書かれています。その後の検査はどうすればよいのか、急いで受診した方がいいのか、気になりますよね。
「ASC-US」は「アスカス」と読みます。
日本産科婦人科学会のガイドラインでは、細胞診(子宮頸がんの検診で行う検査)で「ASC-US」だった場合は
1)すぐに精密検査(コルポスコピー検査+組織診)
2)HPV検査を追加
3)6か月後に再度細胞診検査
のいずれかを行うことになっています。
当院では、まずHPV検査を行って、「陽性」だった方のみ精密検査を行っています。HPVが陰性であれば、1年後に細胞診を再検査すればよいからです。
HPV検査というのは、HPVの中で子宮頸がんの原因となりうる「ハイリスクタイプ」に感染していないかどうかを調べる検査です。
HPVには100種類以上の「型」があり、そのうち約15種類の「型」が子宮頸がんの原因となります。代表的なのは、16型や18型ですが、31型や52型でも子宮頸がんになることがあります。
HPVが陽性だと危険?
細胞診がASC-USで、HPVが陽性だった場合、それが直ちに「がんである」という意味ではありません。
HPVがどのくらい悪さをしているのか、細胞の変化がどの程度かを確認するために、精密検査として「組織診」を行います。少しまとまった細胞をかじりとる検査で、多少の痛みと出血を伴います。
この組織診の結果によって、その後の流れが決まっています。
軽度異形成(CIN1)だった場合→4~6カ月ごとに細胞診を行う
中等度異形成(CIN2)だった場合→3か月ごとに細胞診を行うか治療に進む
高度異形成(CIN3)またはそれ以上だった場合→治療に進む
「ASC-US」で「がん」になることは?
検診で「ASC-US」を指摘された時点で、「これは『がんですよ』という意味なのだろうか」という心配が出てきがちですが、精密検査の結果で返ってくるのはほとんどが軽度異形成~中等度異形成です。
ただ、まれに、細胞診が「ASC-US」だったけれど精密検査では「上皮内癌」だったというケースもあります。
なので、「ASC-US」は「軽い変化の可能性が高いけれど『放置してよい』という意味ではない」と理解していただくのがよいかと思われます。
検診で何らかの異常を指摘された場合は、ご自身の心身の状態と向かい合う「チャンス」です。そのままにせずに早めに婦人科を受診して適切な検査や治療を受けるようにしましょう。
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日付:2026年6月27日 カテゴリー:HPVワクチン,子宮頚がん
医師が解説「不正出血の原因と治療」
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<<この記事の執筆者>>
清水なほみ 医師
日本専門医機構認定産婦人科専門医
ポートサイド女性総合クリニック院長
横浜駅徒歩6分。婦人科診療、ピル外来、月経困難症、PMS、子宮頸がん検診などを専門に診療。
参考文献:日本産科婦人科学会誌・産婦人科診療ガイドライン
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受診なさる患者様の訴えで多いのは月経不順や月経痛などの月経関連症状ですが、「不正出血」も受診のきっかけとして比較的多い症状のひとつです。「不正出血」自体は病名ではなく、月経以外に出血したという症状を表しています。月経の時期とは明らかに違うタイミングで不定期に出血したり、月経が終わったと思ったらまたすぐに少量の出血があったり、性行為の後に出血したり、閉経後なのに出血が見られたら、それらはすべて「不正出血」ということになります。
月経不順の方の中には、毎回周期も月経量もバラバラなので、どれが月経でどれが不正出血なのか区別がつかないという方もいらっしゃいます。月経が短い周期で何度も来ると訴えている方を診察すると、月経は正常な周期で来ていて、月経と月経の間でクラミジア感染による少量の出血を繰り返していた、というパターンもあります。
不正出血の原因としては次のような状態が考えられます。
*月経不順に伴う中途半端な出血
*排卵期(中間期)の出血
*子宮頚管ポリープ
*子宮内膜ポリープ
*子宮内膜増殖傾向
*クラミジアや淋菌感染による炎症
*閉経後の萎縮性膣炎
*子宮頸がんや子宮体がん
*妊娠
*原因不明の機能性子宮出血
不正出血があった場合は、年齢や出血のパターンによって、これらの原因がないかを検査で確認していきます。原因検索のために必要な検査は次のようなものがあります。
*子宮頸がん検査→性交経験があって1年以内に検査を受けていなければほぼ必ず行います
*子宮体がん検査→40歳以上や超音波検査で子宮内部が厚くなっている場合などに行います
*超音波検査→ほぼ全例に行います
*クラミジア・淋菌検査→性行為の経験がある方に行います
*ホルモン検査(採血)→月経不順傾向がある場合や年齢的に更年期が近い方に行います
これらの検査で、何も異常がなく、月経と月経のちょうど間くらいに少量の出血がある場合は「中間期出血(排卵期出血)」と呼ばれるものの可能性が高く、通常は何もせず様子を見ても問題ないものです。気になる場合は、ピルで排卵を抑えて症状が改善するかどうかを見ていきます。
子宮頚管ポリープがあればポリープ切除を行いますし、クラミジアなどの感染が見つかれば適切な抗生剤で治療します。子宮内ポリープや子宮内膜増殖傾向によるものは、ピルで子宮内膜を整える治療が有効なため、3か月程度ピルを服用することが多いですが、年齢や基礎疾患によっては他のホルモン剤を使う場合もあります。
注意が必要なのは、子宮頸がんや子宮体がんです。不正出血のパタンだけで、それが「悪い物からかどうか」は判別することはできません。明らかな出血が見られる以外にも、織物が茶色やピンク色になっている場合も、それは出血が混ざっているというサインです。いつもと違う出血がごくわずかでもあったら、できるだけ早めに婦人科を受診してくださいね。
日付:2026年6月25日 カテゴリー:婦人科の病気
デリケートゾーンのお手入れは?(横浜駅近く女医の婦人科)
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<<この記事の執筆者>>
清水なほみ 医師
日本専門医機構認定産婦人科専門医
ポートサイド女性総合クリニック院長
横浜駅徒歩6分。婦人科診療、ピル外来、月経困難症、PMS、子宮頸がん検診などを専門に診療。
参考文献:日本産科婦人科学会誌・産婦人科診療ガイドライン
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外陰部の痒みの原因は、
カンジダやトリコモナスによる炎症
ナプキンやパットによるかぶれ
下着やガードルによる蒸れ
ホルモン不足による皮膚の菲薄化
脱毛などのお手入れのし過ぎによる乾燥
かみそり負け
など、多岐にわたります。
おりものの検査をしても何も検出されないけれど痒みが持続する場合や、月経期の後半から月経後にかけて痒みが出るといったケースでは、かぶれや蒸れによる痒みのことが多いでしょう。
閉経後や、もともと乾燥肌で、痒みが出やすくなってきたという場合は、保湿することで痒みが和らぐケースがあります。
日付:2026年6月25日 カテゴリー:更年期障害
妊娠中のトラブル~出血~ (横浜駅 女医の婦人科)
妊娠初期から産まれる直前まで注意が必要なのが、「性器出血」です。
妊娠中は子宮の出口がもろい状態になるので、ちょっとした刺激で出血しやすくはなるのですが、基本的にまったく出血しないのが正常な状態です。
夫婦生活の後に少量の出血があった場合は、物理的な刺激によってもろい部分から出血したという可能性もあるので、あまり心配ないケースがほとんどですが、切迫流産や切迫早産でないかは確認しておいた方が安心です。
妊娠初期は、切迫流産の症状として少量の出血が見られることはしばしばあります。
赤ちゃんが順調に育っていて、お腹の痛みがなければ、まずは安静にして様子を見ます。
出血量が多かったり、胎盤と子宮の壁との間に出血がたまっていたりする場合は、入院が必要になることもあります。
安定期以降に出血があった場合は、子宮の出口が開いたりしている可能性もあるので、すぐに受診が必要です。
万が一子宮の出口が開いていたら、子宮の収縮を抑える治療や安静のための入院が必要になります。
性器出血があった場合に、どのくらいの安静が必要なのかは、出血の程度や週数にもよりますが、お仕事をしている方は完全に止血するまでは仕事を休み、日常生活の動作も自分の身の回りのことをするまでにとどめるというのがひとつの目安です。
家事も最低限にして、食事やトイレや入浴以外はできるだけ横になるか座っておくという状態ですね。もちろん、夫婦生活は厳禁です。
少しでも出血があれば、自己判断で様子を見ずに、まずは分娩予定の病院に問い合わせるようにしましょう。
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<<この記事の執筆者>>
清水なほみ 医師
日本専門医機構認定産婦人科専門医
ポートサイド女性総合クリニック院長
横浜駅徒歩6分。婦人科診療、ピル外来、月経困難症、PMS、子宮頸がん検診などを専門に診療。
参考文献:日本産科婦人科学会誌・産婦人科診療ガイドライン
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日付:2026年6月24日 カテゴリー:妊娠中のトラブル












