婦人科の病気

 

子宮体がんの治療と予防|手術・妊孕性温存・再発治療

 

子宮体がんの治療は、手術が中心です。がんの進行期、組織型、悪性度、分子生物学的な特徴、年齢、合併症、妊娠希望などを確認し、手術、薬物療法、放射線治療を組み合わせます。[1][2]

 

ごく早期で一定の条件を満たし、妊娠を強く希望する方では、子宮を摘出せず黄体ホルモンで治療する選択肢があります。ただし対象は限られ、再発リスクがあるため、婦人科腫瘍と生殖医療の連携が可能な専門施設で行います。

 
 

治療方針を決める要素

  • 病気の広がりを示す進行期
  • 類内膜がん、漿液性がん、明細胞がんなどの組織型
  • がん細胞の悪性度を示すグレード
  • 子宮筋層への浸潤、リンパ節・遠隔転移
  • MMR、MSI、p53、POLEなどの分子生物学的特徴
  • 年齢、肥満、糖尿病、心血管疾患などの全身状態
  • 妊娠希望と妊孕性温存の適応

同じ「子宮体がん」でも性質と再発リスクは異なります。手術で得られた病理結果も含めて、術後の追加治療を決めます。

子宮体がんの手術

手術が可能な場合は、子宮全摘術と両側付属器摘出術(両側の卵巣・卵管の摘出)が基本です。がんの性質や広がりに応じて、リンパ節の評価・郭清などを追加します。

早期がんでは、条件を満たせば腹腔鏡手術やロボット支援手術が可能な場合があります。進行がんでは開腹手術や腫瘍減量術を検討します。手術方法は、病期と施設の体制によって異なります。

手術によって子宮を摘出すると妊娠はできなくなり、両側の卵巣を閉経前に摘出すると外科的閉経になります。治療前に、妊孕性、卵巣機能、術後の生活への影響について説明を受けます。

術後の追加治療

手術後は、進行期、組織型、グレード、筋層浸潤、リンパ管・血管侵襲、リンパ節転移などから再発リスクを評価します。

  • 低リスク:追加治療を行わず経過観察になることが多い
  • 中・高リスク:化学療法や放射線治療を検討
  • 進行がん:化学療法を中心に、手術・放射線治療などを組み合わせる

薬物療法では、白金製剤とタキサン系薬剤を組み合わせた化学療法などが用いられます。病気の状態や分子検査結果によって、免疫チェックポイント阻害薬、分子標的薬、ホルモン療法を検討する場合があります。

遺伝子・分子検査と治療選択

子宮体がんでは、腫瘍のMMRタンパク免疫染色やMSI検査などが、薬物療法の選択やリンチ症候群を考える手がかりになります。

MSI-Highやミスマッチ修復機能欠損(dMMR)があるがんでは、免疫チェックポイント阻害薬が選択肢になることがあります。検査結果がリンチ症候群を疑う場合は、遺伝カウンセリングを経て、必要に応じて生殖細胞系列の遺伝学的検査を検討します。[3]

妊娠を希望する場合の妊孕性温存治療

子宮体がんの標準治療は子宮摘出ですが、次のような条件を満たす場合に限り、子宮を残す黄体ホルモン療法を検討できることがあります。

  • 妊娠を強く希望している
  • 子宮内膜異型増殖症、または類内膜がんグレード1相当
  • がんが子宮内膜にとどまり、筋層浸潤や子宮外病変を認めない
  • 治療の限界と再発リスクを理解し、厳密な経過観察ができる

高用量黄体ホルモン療法を行い、定期的に子宮内膜組織診・画像検査で効果を確認します。病変が消失しても再発する可能性があるため、妊娠可能になった後は効率よく妊娠を目指し、出産希望を終えた後に子宮摘出を相談することがあります。[4]

治療が効かない、進行する、再発する場合は子宮摘出が推奨されます。妊孕性温存治療は、一般の月経不順に対する黄体ホルモン治療とは目的・用量・管理方法が異なります。

子宮内膜増殖症・異型増殖症の治療

異型のない子宮内膜増殖症

黄体ホルモン製剤やレボノルゲストレル放出子宮内システムなどを用い、定期的な子宮内膜組織診で改善を確認することがあります。肥満、排卵障害、エストロゲン単独使用などの背景も見直します。

子宮内膜異型増殖症

子宮体がんの前がん病変で、すでに子宮体がんが併存している場合があります。妊娠希望がない場合の標準治療は子宮全摘術です。妊娠を強く希望する場合は、十分な組織評価を行った上で専門施設における黄体ホルモン療法を検討します。

子宮体がんの予防のためにできること

月経不順・無排卵を放置しない

排卵が少なく月経が何か月も来ない状態では、子宮内膜がエストロゲンの刺激を受け続けることがあります。妊娠を希望しない時期も、低用量ピルや黄体ホルモンなどで定期的に子宮内膜を保護する治療が必要な場合があります。

適正体重と代謝管理

肥満、体重増加、糖尿病、メタボリックシンドロームは子宮体がんのリスク上昇と関連します。極端な減量ではなく、食事、運動、睡眠を含む継続可能な体重・代謝管理を行います。[5]

ホルモン剤を適切に使う

子宮がある方が全身用エストロゲンを使用する場合は、原則として黄体ホルモンを併用し子宮内膜を保護します。配合経口避妊薬の使用歴は子宮体がんリスクの低下と関連しますが、がん予防だけを目的に全員へ処方する薬ではありません。

タモキシフェンを使用している方は、不正出血があれば婦人科へ相談してください。症状がない方が自己判断で内膜検査を繰り返したり、タモキシフェンを中止したりするのではなく、乳腺科の主治医と連携して判断します。

リンチ症候群と子宮体がん

リンチ症候群は、大腸がん、子宮体がん、卵巣がん、尿路系がんなどのリスクが高くなる遺伝性腫瘍です。

子宮体がん・大腸がんを若く発症した血縁者がいる、家系内に関連がんが複数ある、腫瘍のMMR・MSI検査で特徴的な結果が出た場合は、遺伝カウンセリングを検討します。病的バリアントが確認された方では、定期管理や、妊娠・出産希望を終えた後のリスク低減手術について専門施設で相談します。

治療後の経過観察

治療後は、再発リスクと治療からの期間に応じて、問診、内診、超音波、血液検査、CTなどを必要に応じて行います。

不正出血、下腹部痛、咳・息苦しさ、下肢のむくみ、体重減少など新しい症状がある場合は、次の予約日を待たず治療施設へ相談してください。

子宮体がんの治療・予防についてよくある質問

Q. 子宮体がんは必ず子宮を摘出しますか?

標準治療は子宮摘出です。ただし、ごく早期で一定の条件を満たし妊娠を強く希望する場合に、専門施設で黄体ホルモンによる温存治療を検討できます。

Q. 月経不順ならピルを飲めば体がんを完全に予防できますか?

子宮内膜を保護しリスクを下げる効果は期待できますが、完全に予防できるわけではありません。不正出血があれば服用中でも診察が必要です。

Q. タモキシフェンを飲んでいるので中止した方がよいですか?

自己判断で中止しないでください。乳がん治療上の利益を踏まえ、不正出血がある場合に乳腺科と婦人科で対応を相談します。

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ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~では、子宮体がん・子宮内膜増殖症のリスクを確認し、月経不順の治療、内診、経腟超音波、必要な内膜検査を行います。

子宮体がんや子宮内膜異型増殖症が疑われる場合、MRI・CT、麻酔下の検査、手術、妊孕性温存治療、遺伝カウンセリングに対応できる専門施設へご紹介します。

横浜駅から徒歩6分、女性医師が診察します。WEB予約・診療時間はこちら

この記事の執筆・医学監修

清水なほみ 医師
日本専門医機構認定産婦人科専門医
ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~ 院長

更新日・最終医学確認:2026年10月19日。本ページは一般的な医療情報であり、個別の診断・治療に代わるものではありません。

参考文献

  1. 日本婦人科腫瘍学会.子宮体がん.
  2. 日本婦人科腫瘍学会.子宮体がん治療ガイドライン2023年版.
  3. 国立がん研究センター がん情報サービス.遺伝性腫瘍.
  4. 国立がん研究センター がん情報サービス.子宮体がん(子宮内膜がん)治療.
  5. National Cancer Institute. Endometrial Cancer Causes, Risk Factors, and Prevention.

日付:2026年10月19日  カテゴリー:婦人科の病気,子宮体がん

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卵巣のう腫・卵巣がんとは?種類・症状・検査・治療

 

「卵巣が腫れている」と言われても、すぐに卵巣がんという意味ではありません。排卵に伴って一時的にできる機能性嚢胞、良性の卵巣のう腫、境界悪性腫瘍、悪性腫瘍である卵巣がんなど、さまざまな原因があります。

 

卵巣腫瘍は小さいうちは症状がないことが多く、超音波で偶然見つかります。良性・悪性の可能性は、年齢、症状、超音波やMRIの形、腫瘍の変化、腫瘍マーカーなどから総合的に推測し、最終的な確定診断は原則として手術で摘出した組織の病理検査によって行います。[1]

 

卵巣のう腫・卵巣腫瘍とは

卵巣にできる腫れには、腫瘍ではない一時的な嚢胞と、細胞が増殖してできる腫瘍があります。一般には液体などを含む袋状の病変を「卵巣のう腫」と呼ぶことが多いものの、医学的には内容や組織によって分類されます。

分類 特徴
機能性嚢胞 排卵などに伴って一時的に生じ、多くは自然に小さくなる
良性腫瘍 成熟嚢胞性奇形腫、漿液性・粘液性腫瘍など。転移はしないが、大きくなる・捻転することがある
子宮内膜症性嚢胞 卵巣に子宮内膜症ができた状態。チョコレート嚢胞とも呼ばれる
境界悪性腫瘍 良性と悪性の中間的な性質を持ち、手術と長期経過観察が必要
悪性腫瘍 卵巣がん。上皮性、胚細胞性、性索間質性など複数の種類がある

卵巣がん・卵管がん・腹膜がん

卵巣がんは、発生する細胞によって上皮性腫瘍、胚細胞腫瘍、性索間質性腫瘍などに分かれます。成人では上皮性腫瘍が多く、卵管がんや腹膜がんと共通する性質を持つため、診断・治療ではまとめて扱われることがあります。[2]

卵巣がんは早期には症状が出にくく、腹部膨満や食欲低下など、消化器症状に似た訴えで見つかることがあります。ただし、症状のない一般女性に対して死亡を減らすことが証明された卵巣がん検診はありません。

卵巣腫瘍の主な症状

  • 下腹部痛、骨盤内の痛み
  • 腹部の張り、腹囲の増加
  • 下腹部のしこり、圧迫感
  • 少量で満腹になる、食欲低下
  • 頻尿、便秘
  • 月経不順、不正出血
  • 突然の激しい下腹部痛、吐き気・嘔吐

突然の激痛と吐き気・嘔吐は卵巣腫瘍茎捻転、強い痛みやふらつきは嚢胞破裂・腹腔内出血の可能性があります。緊急手術が必要になることがあるため、早急に医療機関を受診してください。

卵巣のう腫・卵巣がんの症状を詳しく見る

卵巣腫瘍の検査

  1. 問診:症状、月経、妊娠希望、既往歴、家族歴を確認
  2. 内診・経腟超音波:大きさ、内部構造、血流、周囲との関係を確認
  3. MRI・CT:腫瘍の性状や広がりを詳しく評価
  4. 腫瘍マーカー:CA125などを診断補助として測定
  5. 病理検査:摘出組織を顕微鏡で調べ、確定診断

腫瘍マーカーが正常でも悪性を否定できず、高値でも良性疾患の場合があります。検査結果を一つずつではなく、年齢や画像所見を含めて判断します。

卵巣腫瘍の検査・診断を詳しく見る

治療は経過観察?手術?

治療は、年齢、閉経前後、腫瘍の大きさ・形・増大速度、症状、悪性の可能性、妊娠希望によって決めます。

経過観察になることが多い場合

  • 機能性嚢胞が疑われ、自然縮小が期待できる
  • 小さく、明らかに良性を考える画像所見で、症状がない
  • 一定期間観察しても増大や形の変化がない

手術を検討する場合

  • 大きい、または増大している
  • 痛みや圧迫症状がある
  • 捻転・破裂の危険や既往がある
  • 充実部分、乳頭状部分、不整など悪性を疑う所見がある
  • 閉経後に新たな卵巣腫瘍が見つかった

良性が考えられる場合は、妊娠希望に応じて正常卵巣を残す嚢胞摘出術が選択肢になります。悪性が疑われる場合は、最初から婦人科腫瘍を専門とする施設で治療計画を立てることが重要です。

卵巣のう腫・卵巣がんの治療と予防を詳しく見る

卵巣がんのリスクが高くなる要因

  • 年齢が高くなること
  • 近親者に卵巣がん・乳がんなどがいる
  • BRCA1・BRCA2などに関連する遺伝性乳がん卵巣がん
  • Lynch症候群などの遺伝性腫瘍
  • 一部の子宮内膜症性嚢胞

リスク因子があっても必ず発症するわけではありません。反対に、家族歴がなくても発症します。家族歴が気になる場合は、自己判断で遺伝子検査を受ける前に遺伝カウンセリングをご相談ください。

卵巣がん検診について

平均的なリスクで症状のない方に、経腟超音波やCA125を定期的に行って卵巣がん死亡を減らせるという根拠はありません。症状がある方や卵巣腫瘍を指摘されている方への検査とは目的が異なります。

卵巣がん検診と超音波・CA125の限界を詳しく見る

卵巣のう腫・卵巣がんについてよくある質問

Q. 卵巣が腫れていると言われたら、がんですか?

多くは良性または一時的な嚢胞ですが、年齢、大きさ、形、増大の有無などを確認する必要があります。

Q. 卵巣のう腫は薬で治りますか?

機能性嚢胞は自然に縮小することがあります。子宮内膜症性嚢胞ではホルモン療法を用いることがありますが、成熟奇形腫など多くの良性腫瘍は薬では消えません。

Q. 片方の卵巣を手術すると妊娠できなくなりますか?

反対側の卵巣・卵管が機能していれば、片側を摘出しても自然妊娠は可能です。妊娠希望がある場合は、正常卵巣を残せるか術前に相談します。

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この記事の執筆・医学監修

清水なほみ 医師
日本専門医機構認定産婦人科専門医
ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~ 院長

更新日・最終医学確認:2026年10月17日。本ページは一般的な医療情報であり、個別の診断・治療に代わるものではありません。

参考文献

  1. 日本婦人科腫瘍学会.卵巣腫瘍.
  2. 国立がん研究センター がん情報サービス.卵巣がん・卵管がん・腹膜がんについて.
  3. 国立がん研究センター がん情報サービス.卵巣がん・卵管がん・腹膜がん 検査.
  4. 国立がん研究センター がん情報サービス.卵巣がん・卵管がん・腹膜がん 治療.

日付:2026年10月17日  カテゴリー:卵巣がん・卵巣のう腫

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卵巣のう腫・卵巣がんの症状|腹痛・張り・捻転のサイン

 

卵巣のう腫や卵巣がんは、小さいうちは症状がないことが少なくありません。卵巣は骨盤の中にあり、腫瘍がある程度大きくなるまで周囲を圧迫しにくいためです。

 

一方、腹部の張り、下腹部痛、食欲低下、頻尿、便秘などが繰り返す場合や、突然の激痛・吐き気がある場合は、婦人科での確認が必要です。症状だけで良性・悪性を区別することはできません。

 
 

初期には症状がないことが多い

卵巣腫瘍は、健診、妊娠時の超音波、月経痛や不正出血の診察、内科の画像検査などで偶然見つかることがあります。症状がないから良性、症状が強いから悪性という関係ではありません。

「卵巣がんの初期症状」として一つの特徴的な症状があるわけではなく、早期発見を目的とした有効な一般検診も確立されていません。[1]

卵巣腫瘍でみられる主な症状

  • 下腹部の痛み、重い感じ、違和感
  • 腹部の張り、膨満感
  • 腹囲が増える、服のウエストがきつくなる
  • 下腹部にしこりを感じる
  • 腰痛、性交時の痛み
  • 月経不順、不正出血
  • 頻尿、排尿しにくい
  • 便秘、便が出にくい

良性腫瘍でも、大きくなれば膀胱や直腸を圧迫して症状が出ます。月経痛・性交痛が強い場合は、子宮内膜症性嚢胞が関係していることがあります。

卵巣がんで注意したい症状

  • 腹部膨満感が続く、以前より頻繁になった
  • 少量の食事で満腹になる
  • 食欲が低下した
  • 腹囲が短期間で増えた
  • 下腹部痛・骨盤痛が続く
  • 頻尿・便秘が新たに出現し、続いている
  • 原因の分からない体重減少、強いだるさ
  • 足のむくみ、息苦しさ

これらは消化器疾患や泌尿器疾患でも起こる症状です。しかし、新しく出現した症状が繰り返す、数週間続く、徐々に悪化する場合は、自己判断で様子を見続けず受診してください。[2]

突然の激痛は卵巣腫瘍茎捻転の可能性

卵巣腫瘍茎捻転は、腫れた卵巣が卵管や血管を含む部分ごとねじれ、血流が低下する状態です。

  • 突然始まる強い片側の下腹部痛
  • 吐き気、嘔吐
  • 痛みが強くなったり、一度軽くなったりする
  • 動くと痛みが悪化する

緊急手術が必要になることがあります。痛みが一度軽くなっても、ねじれたり戻ったりしている可能性があるため、早急に医療機関を受診してください。若年者では可能な限り卵巣を温存する治療が検討されます。[3]

卵巣嚢胞の破裂・出血

嚢胞が破裂すると、急な下腹部痛が起こります。出血が多い場合は、ふらつき、冷汗、動悸、顔面蒼白、意識が遠のく感じなどを伴うことがあります。

激しい痛み、出血を疑う症状、妊娠の可能性がある場合は、子宮外妊娠などとの区別も必要です。夜間・休日でも救急受診を検討してください。

年齢によって考える病気は異なります

思春期・若年女性

機能性嚢胞や成熟嚢胞性奇形腫が多い一方、若年者にみられやすい胚細胞腫瘍もあります。性交経験がない方は、経腹超音波など負担の少ない方法を選びます。

性成熟期

機能性嚢胞、子宮内膜症性嚢胞、成熟嚢胞性奇形腫などが多くみられます。妊娠希望を踏まえ、経過観察と手術を選択します。

閉経後

閉経後に新しく見つかった卵巣腫瘍は、閉経前より慎重な評価が必要です。小さく症状がなくても、画像の形や腫瘍マーカー、変化を確認します。

婦人科を受診する目安

症状 受診の目安
突然の激しい下腹部痛、嘔吐、ふらつき 早急に救急受診
腹部膨満、食欲低下、腹囲増加が続く 早めに婦人科を受診
下腹部痛、頻尿、便秘を繰り返す 症状が続く場合は受診
卵巣の腫れを指摘された 指定された時期に再検査。症状が出たら前倒し

卵巣腫瘍の症状についてよくある質問

Q. 痛みがなければ良性ですか?

痛みの有無だけでは判断できません。良性でも痛むことがあり、悪性でも初期には無症状のことがあります。

Q. おなかが張るだけでも婦人科を受診すべきですか?

一時的な張りはよくありますが、新しく出現し、繰り返す・数週間続く・悪化する場合は婦人科や内科で確認してください。

Q. 急な下腹部痛が治まったら様子を見てよいですか?

卵巣のねじれが一時的に戻った可能性があります。強い痛みを繰り返す場合は、痛みが治まっていても早めに受診してください。

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この記事の執筆・医学監修

清水なほみ 医師
日本専門医機構認定産婦人科専門医
ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~ 院長

更新日・最終医学確認:2026年10月17日。本ページは一般的な医療情報であり、個別の診断に代わるものではありません。

参考文献

  1. 国立がん研究センター がん情報サービス.卵巣がん・卵管がん・腹膜がん 予防・検診.
  2. 国立がん研究センター がん情報サービス.卵巣がん・卵管がん・腹膜がんについて.
  3. American College of Obstetricians and Gynecologists. Adnexal Torsion in Adolescents.
  4. 日本婦人科腫瘍学会.卵巣腫瘍.

日付:2026年10月17日  カテゴリー:卵巣がん・卵巣のう腫,婦人科の病気

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卵巣腫瘍の検査・診断|超音波・MRI・腫瘍マーカー

 

卵巣腫瘍の検査では、まず超音波で大きさと内部の形を確認し、必要に応じてMRI・CTや腫瘍マーカーを追加します。
 
ただし、画像や血液検査だけで良性・境界悪性・悪性を完全に確定できるとは限りません。最終診断は、原則として手術で摘出した組織の病理検査で行います。[1][2]

 
 

卵巣の腫れを指摘された後の検査の流れ

  1. 症状、月経、妊娠希望、既往歴、家族歴を確認する
  2. 内診・経腟超音波で卵巣の大きさと形を確認する
  3. 月経周期との関係をみて、必要なら一定期間後に再検査する
  4. MRIやCTで性状・周囲への広がりを詳しく調べる
  5. 必要な腫瘍マーカーを測定する
  6. 悪性の可能性を評価し、経過観察・手術・専門施設紹介を決める

超音波検査

経腟超音波は、卵巣腫瘍を評価する基本的な検査です。性交経験がない方や経腟検査が難しい方では、経腹超音波などを検討します。

超音波で確認する項目

  • 左右どちらの卵巣か
  • 最大径と体積
  • 内部が液体か、充実部分があるか
  • 単房性か、多房性か
  • 壁の厚さ、不整、乳頭状部分の有無
  • 内部の血流
  • 腹水、周囲臓器との関係

単純な機能性嚢胞に見える場合は、月経周期を変えて再検査すると消失することがあります。一方、充実部分や不整な壁、腹水などがある場合は、精密検査を急ぎます。

MRI・CT検査

MRI

腫瘍の内容が脂肪、血液、粘液、充実組織のどれに近いかを詳しく調べます。成熟嚢胞性奇形腫、子宮内膜症性嚢胞、良性腫瘍、悪性腫瘍の推定に役立ちます。

CT

悪性が疑われる場合に、リンパ節、腹膜、肝臓、肺などへの広がりを調べます。造影剤を使う場合は、アレルギー歴、腎機能、妊娠の可能性などを確認します。

MRI・CTでも確定診断できないことがあり、手術中または手術後の病理診断が必要です。

腫瘍マーカー検査

腫瘍マーカーは、診断を補助し、治療効果や治療後の経過を確認するための血液検査です。単独で良性・悪性を判定する検査ではありません。

主なマーカー 使用される場面・注意点
CA125 上皮性卵巣がんなどで上昇。子宮内膜症、月経、妊娠、炎症などでも上昇する
CA19-9・CEA 粘液性腫瘍や消化管由来の病変などを考える材料
HE4 CA125などと組み合わせて悪性リスク評価の補助に使うことがある
AFP・hCG・LDH 若年者に多い胚細胞腫瘍などが疑われる場合に測定
ホルモン関連マーカー 性索間質性腫瘍など、腫瘍の種類に応じて測定

CA125が正常でも卵巣がんを否定できず、高値でも卵巣がんとは限りません。平均リスクで無症状の方にCA125を測ることは、有効な卵巣がん検診にはなりません。[2][3]

良性・悪性の可能性をどう判断しますか?

  • 年齢、閉経前か閉経後か
  • 腫瘍の大きさと増大速度
  • 超音波・MRIの内部構造
  • 両側性か、腹水があるか
  • 腫瘍マーカー
  • 症状、家族歴、乳がん・卵巣がんの既往

これらを組み合わせて「悪性の可能性が低いか、高いか」を推定します。悪性を疑う場合は、手術前から婦人科腫瘍専門医のいる施設へ紹介することが重要です。

確定診断は病理検査

卵巣は腹腔内の深い場所にあり、原発性卵巣がんが疑われる病変へ皮膚から針を刺して組織を採る検査は、通常の第一選択ではありません。腫瘍内容の漏出や診断精度などを考慮し、手術で摘出した組織を詳しく調べます。

手術中に迅速病理診断を行い、その結果で手術範囲を決めることがあります。ただし迅速診断と術後の最終診断が異なる場合もあります。手術前の生検が必要かどうかは、病気の広がりや治療方針に応じ、専門施設で判断します。

経過観察では何を確認しますか?

  • 腫瘍が小さくなった、消失した、変わらない、増大した
  • 内部の形や血流が変化した
  • 痛み、腹部膨満などの症状が出た
  • 腫瘍マーカーが変化した

再検査の時期は、機能性嚢胞を疑うのか、良性腫瘍として観察するのか、閉経前後、腫瘍の種類によって異なります。「毎年でよい」と自己判断せず、指定された時期に受診してください。

卵巣腫瘍の検査についてよくある質問

Q. 超音波だけで良性・悪性が分かりますか?

典型的な形から強く推測できることはありますが、完全には区別できません。必要に応じてMRI、CT、腫瘍マーカー、病理検査を組み合わせます。

Q. CA125が高いので卵巣がんですか?

CA125は子宮内膜症、月経、妊娠、炎症などでも上がります。数値だけで診断せず、年齢や画像所見と合わせて判断します。

Q. 卵巣のう腫はすぐに手術が必要ですか?

すべてに手術が必要ではありません。自然に消える可能性、症状、大きさ、増大、画像所見、年齢、妊娠希望から判断します。

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清水なほみ 医師
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ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~ 院長

更新日・最終医学確認:2026年10月17日。本ページは一般的な医療情報であり、個別の診断に代わるものではありません。

参考文献

  1. 日本婦人科腫瘍学会.卵巣腫瘍.
  2. 国立がん研究センター がん情報サービス.卵巣がん・卵管がん・腹膜がん 検査.
  3. 国立がん研究センター がん情報サービス.卵巣がん・卵管がん・腹膜がん 予防・検診.

日付:2026年10月17日  カテゴリー:卵巣がん・卵巣のう腫,婦人科の病気

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卵巣のう腫・卵巣がんの治療と予防|経過観察・手術・HBOC

 

卵巣腫瘍の治療は、「大きさだけ」で決めるものではありません。腫瘍の見え方、増大の有無、症状、年齢、閉経前後、妊娠希望、腫瘍マーカー、悪性の可能性などを総合して、経過観察・薬物治療・手術・専門施設への紹介を選びます。

 

また、平均的なリスクの方に、卵巣がんを確実に予防する薬や、死亡を減らすことが確認された検診はありません。家族歴や遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)の可能性がある方では、一般の方とは異なる遺伝カウンセリングとリスク低減策を検討します。[1][2]

 
 

治療方針を決めるポイント

  • 超音波で単純な液体だけに見えるか、充実部分・隔壁・乳頭状部分などがあるか
  • 腫瘍の大きさと、時間とともに増大しているか
  • 痛み、圧迫感、腹部膨満などの症状があるか
  • 初経前、妊娠可能年齢、妊娠中、閉経後のいずれか
  • 妊娠希望と卵巣機能をどこまで温存する必要があるか
  • 腫瘍マーカー、MRI・CTなどで悪性が疑われるか
  • 卵巣がん・乳がんなどの家族歴や遺伝的リスクがあるか

同じ大きさの腫瘍でも、若い方の単純性のう胞と、閉経後に新たに見つかった充実性腫瘍では対応が異なります。自己判断で経過をみるのではなく、再診時期を決めて確認することが大切です。

経過観察でよいことがある卵巣のう腫

閉経前にみられる機能性のう胞などは、数週間から数か月で自然に小さくなることがあります。超音波で良性らしい所見で、症状がなく、悪性を疑う要素が少ない場合は、時期をあけて再度超音波検査を行います。

経過観察の間隔は、年齢、月経周期、腫瘍の種類・大きさ・変化によって異なります。「何cmなら必ず放置できる」「1年に1回でよい」と一律には決められません。強い痛みが出た場合は、予定の再診日を待たずに受診してください。

薬で治療できる卵巣のう腫

卵巣のう腫の種類によって、薬が有効な場合と、薬ではなく手術・経過観察が中心になる場合があります。

子宮内膜症性のう胞(チョコレートのう胞)

低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(LEP)、黄体ホルモン製剤などで、痛みを軽くし、病変の進行や術後再発を抑える治療を行うことがあります。ただし、薬でのう胞そのものが完全に消えるとは限りません。

手術を繰り返すと卵巣予備能が低下する可能性がある一方、腫瘍の増大、強い症状、悪性を否定しにくい所見などがあれば手術が必要になることがあります。妊娠希望がある方では、年齢、AMH、のう胞の大きさ・両側性、不妊治療の予定を含めて判断します。

その他の良性卵巣腫瘍

成熟嚢胞性奇形腫(皮様のう腫)や漿液性・粘液性腺腫などは、ホルモン剤で腫瘍をなくすことはできません。小さく症状がなければ経過観察することがありますが、増大、痛み、捻転の懸念、診断が不確かな場合には手術を検討します。

良性卵巣腫瘍の手術

主な術式には、腫瘍部分だけを取り除いて卵巣を残す卵巣腫瘍摘出術と、卵巣・卵管を含めて摘出する付属器摘出術があります。良性が強く考えられ、妊娠希望がある方では卵巣を温存する方法を優先できることがあります。

腹腔鏡手術か開腹手術かは、腫瘍の大きさ・内容、癒着、悪性の可能性、既往歴などで決まります。悪性の可能性がある腫瘍では、内容物を腹腔内に漏らさず、適切な病期診断と治療を行える体制が重要です。[3]

片側の卵巣を摘出しても、反対側の卵巣と卵管が機能していれば自然妊娠は可能です。ただし、妊娠しやすさは年齢、卵巣予備能、卵管・精子の状態などにも影響されます。

卵巣茎捻転・破裂は緊急治療になることがあります

卵巣腫瘍がねじれて血流が悪くなる卵巣茎捻転では、突然の強い下腹部痛、吐き気・嘔吐が起こることがあります。時間がたつと卵巣を温存できなくなる可能性があるため、緊急手術が必要になることがあります。

腫瘍の破裂では、急な腹痛や腹腔内出血を起こすことがあります。急激な痛み、冷や汗、ふらつき、意識が遠のく感じがある場合は、夜間・休日でも救急医療機関へ相談してください。

境界悪性卵巣腫瘍の治療

境界悪性腫瘍は、良性と浸潤性の卵巣がんの中間的な性質をもつ腫瘍です。基本は手術で、腫瘍の種類・広がり・年齢・妊娠希望に応じて術式を選びます。

妊娠を希望する方では、条件を満たせば子宮と反対側の卵巣を残す妊孕性温存手術を検討できる場合があります。ただし再発リスクや術後の定期診察が必要なため、婦人科腫瘍を専門とする施設で相談します。

卵巣がんの治療

卵巣がんが疑われる場合は、婦人科腫瘍の診断・手術・薬物療法を行える専門施設で治療します。標準治療の中心は手術と薬物療法です。[4]

手術

手術では、病理診断と病気の広がりを確認し、可能な範囲でがんを取り除きます。一般的には子宮、両側の卵巣・卵管、大網などが対象になりますが、進行度、組織型、全身状態によって術式は異なります。

ごく早期で一定の条件を満たす場合に限り、妊娠の可能性を残す手術を検討できることがあります。希望だけで適応を決めることはできないため、治療前に婦人科腫瘍専門医へ相談します。

薬物療法

白金製剤とタキサン系薬剤を中心とした化学療法が広く行われます。最初に手術をすることが難しい場合は、組織診断後に化学療法を行い、その後に手術を行うこともあります。

病期、組織型、治療効果、BRCA1/2遺伝子や相同組換え修復欠損(HRD)の検査結果などにより、PARP阻害薬や血管新生阻害薬による維持療法を検討します。治療内容は一人ひとり異なります。

治療後の経過観察

良性腫瘍でも、残した卵巣に再発したり、反対側に新たな腫瘍ができたりすることがあります。術後は病理結果を確認し、必要な診察・超音波検査の間隔を決めます。

卵巣がん・境界悪性腫瘍の治療後は、専門施設で症状の確認、内診、画像検査、腫瘍マーカーなどを組み合わせて経過をみます。通院間隔は病期、組織型、治療終了からの期間によって異なります。

卵巣がんを予防できますか?

平均的なリスクの方に、卵巣がんを確実に防ぐ方法は確立していません。禁煙、適正体重、節度ある飲酒など一般的ながん予防につながる生活習慣は大切ですが、それだけで卵巣がんを防げるわけではありません。[2]

経口避妊薬・低用量ピル

経口避妊薬の使用歴は卵巣がんの発症リスク低下と関連しますが、副作用や血栓症リスクもあり、卵巣がん予防だけを目的に全員へ勧める薬ではありません。避妊や月経困難症の治療として使う場合に、年齢・喫煙・片頭痛・血栓症リスクなどを確認して処方します。

卵管切除

一部の卵巣・卵管がんが卵管から発生すると考えられるため、良性疾患の骨盤内手術や不妊手術を受ける予定がある方に、将来のリスクを下げる目的で卵管切除を相談する考え方があります。卵巣がん予防だけのために、平均的リスクの方が新たに手術を受けることを一律に勧めるものではありません。[5]

HBOC・BRCA1/2遺伝子変異がある場合

BRCA1またはBRCA2の病的バリアントがある方は、卵巣がん・卵管がん・腹膜がんの発症リスクが一般の方より高くなります。乳がん・卵巣がん・膵がん・前立腺がんなどが家系内に多い、若年発症の乳がんがある、血縁者にBRCA1/2変異が確認されている場合は、遺伝カウンセリングを検討します。

BRCA1/2変異が確認された方では、妊娠・出産の希望を終えた適切な時期に、卵巣と卵管を摘出するリスク低減卵管卵巣摘出術(RRSO)を検討します。超音波とCA125による定期検査だけでRRSOと同等の予防効果が得られるわけではありません。手術時期、早発閉経への対応、乳がんリスクも含めて専門施設で相談します。[1]

卵巣腫瘍の治療・予防についてよくある質問

Q. 卵巣のう腫は何cmなら手術ですか?

大きさだけでは決まりません。年齢、症状、超音波所見、増大の有無、悪性の可能性、妊娠希望を合わせて判断します。

Q. ピルを飲めば卵巣のう腫は消えますか?

すべての卵巣のう腫が消えるわけではありません。子宮内膜症性のう胞では痛みや再発を抑えるために使いますが、奇形腫や腺腫を薬でなくすことはできません。

Q. 卵巣を片方取ると妊娠できませんか?

反対側の卵巣と卵管が機能していれば、自然妊娠は可能です。ただし年齢や卵巣予備能、卵管・精子の状態などにも左右されます。

Q. 卵巣がんを防ぐために卵巣を取った方がよいですか?

平均的なリスクの方に予防的な卵巣摘出を一律に勧めることはありません。手術による閉経と長期的な健康影響があります。BRCA1/2変異など高い遺伝的リスクがある方は、専門施設でRRSOを相談します。

横浜で卵巣腫瘍をご相談になりたい方へ

ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~では、問診、内診、経腟または経腹超音波検査で卵巣を確認し、経過観察の必要性を判断します。

MRI・CT、手術、婦人科腫瘍専門医による診療、遺伝カウンセリングが必要な場合は、対応できる医療機関へご紹介します。突然の激しい腹痛、嘔吐、冷や汗、ふらつきがある場合は、当院の予約を待たず救急医療機関へご相談ください。

横浜駅から徒歩6分、女性医師が診察します。予約方法・診療時間はこちら

この記事の執筆・医学監修

清水なほみ 医師
日本専門医機構認定産婦人科専門医
ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~ 院長

更新日・最終医学確認:2026年10月17日。本ページは一般的な医療情報であり、個別の診断・治療に代わるものではありません。

参考文献

  1. 国立がん研究センター がん情報サービス.卵巣がん・卵管がん・腹膜がん 予防・検診.
  2. 国立がん研究センター がん情報サービス.科学的根拠に基づくがん予防.
  3. 日本産科婦人科学会.卵巣腫瘍.
  4. 国立がん研究センター がん情報サービス.卵巣がん・卵管がん・腹膜がん 治療.
  5. American College of Obstetricians and Gynecologists. Opportunistic Salpingectomy as a Strategy for Epithelial Ovarian Cancer Prevention.

日付:2026年10月17日  カテゴリー:卵巣がん・卵巣のう腫

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不妊症とは?原因・受診目安・検査・治療の流れ

 

不妊症とは、避妊をせずに一定期間性交を続けても妊娠に至らない状態です。一般には1年間が目安ですが、35歳以上の方、月経不順・無月経がある方、子宮内膜症や骨盤内感染の既往がある方などは、1年を待たずに相談することが勧められます。[1][2]

 

不妊の原因は女性側だけにあるとは限りません。男性側の因子、男女双方の因子、検査をしても原因を特定できない「原因不明不妊」もあります。どちらか一方を責めるのではなく、可能であればお二人を同時に評価することが大切です。

 

不妊症の定義

WHOは、不妊症を「12か月以上、定期的に避妊をせず性交しても妊娠に至らない、男性または女性の生殖器系の疾患」と定義しています。[1]

ただし、これは「12か月たつまで受診してはいけない」という意味ではありません。年齢、月経の状態、病歴、性交の頻度、妊娠を希望する時期によって、検査を始める適切な時期は異なります。

原発性不妊と続発性不妊

  • 原発性不妊:これまで一度も妊娠したことがない場合
  • 続発性不妊:過去に妊娠したことはあるものの、その後妊娠に至らない場合

過去に出産・流産・中絶の経験があっても、現在妊娠しにくい場合は検査の対象になります。

いつ受診したらよい?

状況 相談の目安
女性が35歳未満 避妊せず性交を続けて12か月妊娠しない場合
女性が35~39歳 6か月妊娠しない場合
女性が40歳以上 妊娠を希望した時点で早めに相談
年齢を問わず気になる症状・既往がある 期間を待たずに相談

年齢を問わず早めの相談が望ましいのは、月経不順・無月経、強い月経痛、子宮内膜症、骨盤内感染や腹部・骨盤手術の既往、抗がん剤・放射線治療歴、精巣や射精の問題、性交が難しい場合などです。[2]

「まだ不妊症の期間に達していないけれど、妊娠前の準備やタイミングを知りたい」という段階で相談しても構いません。

不妊症の主な原因

女性側に関係する主な原因

  • 排卵因子:PCOS、甲状腺機能異常、高プロラクチン血症、体重変化などによる排卵障害
  • 卵管因子:クラミジア感染、骨盤内炎症、手術後の癒着などによる卵管の閉塞・狭窄
  • 子宮因子:子宮筋腫、子宮内膜ポリープ、子宮形態の異常など
  • 子宮内膜症:炎症や癒着、卵巣予備能への影響
  • 加齢に伴う変化:卵子の数と質の低下、流産率の上昇

男性側に関係する主な原因

  • 精子の数が少ない、運動率が低い、形態に問題がある
  • 精路の閉塞、精索静脈瘤、ホルモンや遺伝的な問題
  • 勃起・射精の問題、性交の困難
  • 薬剤、発熱、喫煙、過度の飲酒、アナボリックステロイド・テストステロン製剤などの影響

原因が一つとは限らず、複数の要因が重なることもあります。また、基本的な検査で明らかな原因が見つからない「原因不明不妊」もあります。[3]

検査の基本的な流れ

  1. 妊娠歴、月経周期、性交の頻度、病歴、服薬、生活状況を確認する
  2. 超音波検査で子宮・卵巣を確認する
  3. 必要に応じてホルモン検査、感染症検査、卵巣予備能の評価を行う
  4. 専門施設で卵管通過性検査や精液検査を行う
  5. 年齢・不妊期間・検査結果・希望を踏まえて治療計画を立てる

検査は月経周期の時期によって適したタイミングが異なります。また、AMHだけで「自然妊娠できる・できない」を判定することはできません。詳しくは不妊症の検査をご覧ください。

治療の基本的な流れ

不妊治療には、妊娠しやすい時期に性交するタイミング法、排卵誘発、人工授精、体外受精、顕微授精、原因疾患への治療などがあります。

全員が同じ順番・同じ回数で進むわけではありません。女性の年齢、卵巣予備能、不妊期間、卵管・精液所見、妊娠希望の時期によっては、タイミング法を長く続けず専門治療へ進む方がよいこともあります。

当院は不妊治療認定施設ではありません。当院では婦人科的な初期評価とタイミング法のご相談に対応し、排卵誘発、人工授精、体外受精・顕微授精など、タイミング法以外の治療が必要な場合は不妊治療専門施設へご紹介します。

不妊症の治療と専門施設へ進む目安

妊娠を目指す前に準備したいこと

  • 食事に加えて葉酸400μg/日の摂取を始める
  • 風しん抗体・予防接種歴を確認する
  • 服薬中の薬や持病について主治医に相談する
  • 性感染症検査、子宮頸がん検診など必要な検査を受ける
  • 喫煙をやめ、飲酒を控える
  • パートナーも健康状態と服薬を確認する

すべてを完璧にしてからでなければ妊娠を目指せないわけではありません。優先順位を決めて準備しましょう。詳しくは妊娠を目指す前の準備をご覧ください。

不妊症についてよくある質問

Q. 1年間待たないと受診できませんか?

いいえ。35歳以上、月経不順・無月経、子宮内膜症や骨盤内感染の既往、男性側の心配などがある場合は、期間を待たずにご相談ください。

Q. 基礎体温を数か月つけてから受診すべきですか?

基礎体温の記録がなくても受診できます。記録が負担なら無理に続ける必要はありません。月経日、性交日、排卵検査薬の結果など、分かる範囲の情報で構いません。

Q. 当院で体外受精まで受けられますか?

当院は不妊治療認定施設ではないため、対応は初期評価とタイミング法までです。タイミング法以外の治療が必要な場合は、適切な専門施設へご紹介します。

横浜駅近くで妊娠について相談したい方へ

横浜駅から徒歩6分、ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~で女性医師が、月経の状態、婦人科疾患、妊娠前の準備、タイミング法についてご相談をお受けします。

当院で対応できる不妊治療はタイミング法までです。それ以外の検査・治療が必要な場合は、専門施設をご紹介します。
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この記事の執筆・医学監修

清水なほみ 医師
日本専門医機構認定産婦人科専門医
ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~ 院長

更新日・最終医学確認:2026年10月12日。本ページは一般的な医療情報であり、個別の診断・治療に代わるものではありません。

参考文献

  1. World Health Organization. Infertility. 2025.
  2. American Society for Reproductive Medicine. Fertility evaluation of infertile women: a committee opinion. 2021.
  3. 日本生殖医学会.生殖医療Q&A(旧 不妊症Q&A).
  4. 日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会.産婦人科診療ガイドライン―婦人科外来編2023.

日付:2026年10月12日  カテゴリー:不妊症

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不妊症の検査|女性・男性それぞれ何を調べる?

 

不妊症の検査は、女性だけでなく男性も可能な限り同時に進めます。女性では排卵、子宮・卵巣、卵管の通過性などを、男性では精液所見などを確認します。検査には月経周期に合わせて行うものがあり、1回の受診ですべてが分かるわけではありません。[1][2]

 

年齢、不妊期間、月経の状態、過去の病気や手術、これまでの検査結果によって必要な検査は異なります。「検査を全部受ける」こと自体が目的ではなく、今後の方針を決めるために必要な情報を効率よく集めることが大切です。

 

初診で確認すること

  • 妊娠を希望している期間、避妊をやめた時期
  • 月経周期、最終月経、月経痛・過多月経の有無
  • 性交の頻度、性交や射精の困難の有無
  • 妊娠・出産・流産・中絶の既往
  • 子宮内膜症、クラミジア感染、手術、がん治療などの既往
  • 服薬、サプリメント、喫煙、飲酒、体重変化
  • パートナーの病歴、精巣の病気、服薬など

基礎体温をつけている方は持参すると参考になりますが、記録がなくても受診できます。過去の検査結果や健診結果があればお持ちください。

女性側の主な検査

検査 分かること 主な時期
経腟超音波検査 子宮筋腫・内膜ポリープ、子宮内膜、卵巣、卵胞の発育など 目的により月経中~排卵前など
基礎ホルモン検査 FSH、LH、エストラジオールなど 一般に月経開始後早期
排卵の評価 月経歴、尿中LH、超音波、必要に応じ黄体期プロゲステロンなど 排卵前~黄体期
甲状腺・プロラクチン等 排卵や妊娠に影響する内分泌異常 症状・病歴に応じて
AMH 卵巣内に残る卵胞数の目安、治療時の卵巣反応の予測 多くは周期を問わず
卵管通過性検査 卵管の閉塞・狭窄、子宮腔の形 通常は月経終了後~排卵前
感染症検査 クラミジアなど、必要な感染症 随時

月経周期が規則的でも、卵管の通過性や精液所見までは分かりません。反対に月経不順があっても、原因を確認して適切な治療につなげられる場合があります。

AMHで妊娠しやすさは分かりますか?

AMHは卵子の「質」や自然妊娠できる確率を直接示す検査ではありません。主に卵巣に残る卵胞数の目安となり、体外受精などで卵巣刺激にどの程度反応しそうかを考える材料です。

AMHが低くても自然妊娠する方はいます。一方、AMHが高くても妊娠が保証されるわけではなく、PCOSでは高値になることがあります。年齢、超音波所見、ほかの検査と合わせて解釈します。妊娠経験のない健康な方の将来の自然妊娠を、AMHだけで正確に予測することはできません。[1]

卵管の検査

卵管が閉塞・狭窄していると、卵子と精子が出会いにくくなります。主な検査は子宮卵管造影検査(HSG)や超音波を用いる卵管通過性検査です。検査法、造影剤、痛みへの対応、感染予防は施設により異なります。

検査は妊娠の可能性が低い月経終了後から排卵前に行うのが一般的です。過去にクラミジア感染、骨盤内炎症、子宮外妊娠、腹部・骨盤手術がある場合は、特に重要になることがあります。

当院では卵管通過性検査を行っていません。必要と判断した場合は、不妊治療専門施設へご紹介します。

男性側の主な検査

男性側の基本検査は精液検査です。精液量、精子濃度、運動率、形態などを確認します。不妊原因には男性側の要因も関係するため、女性の検査がすべて終わってからではなく、できるだけ早い段階で行うことが勧められます。[1]

精液所見は体調、発熱、禁欲期間、採取条件などで変動します。異常があった場合も1回だけで確定せず、再検査や泌尿器科・男性不妊外来での評価が必要になることがあります。

当院では精液検査を行っていません。パートナーの検査を含む評価が必要な場合は、専門施設へご紹介します。

当院で行う初期評価と紹介する検査

当院でご相談・実施できる内容

  • 妊娠歴、月経、病歴、服薬などの問診
  • 婦人科診察、経腟超音波による子宮・卵巣の評価
  • 症状に応じたホルモン検査・感染症検査
  • 基礎体温、排卵検査薬、超音波を参考にしたタイミング法の相談

専門施設へ紹介する主な内容

  • 卵管通過性検査
  • 精液検査・男性不妊の精査
  • 不妊治療としての排卵誘発
  • 人工授精、体外受精、顕微授精

年齢や病歴から専門施設での評価を急いだ方がよい場合は、初期検査をすべて当院で終えることにこだわらず、早めにご紹介します。

不妊症の検査についてよくある質問

Q. 検査は1日ですべて終わりますか?

月経中、排卵前、排卵後など適した時期が異なるため、通常は複数回に分けて行います。年齢や病歴によっては、専門施設で並行して検査を進めます。

Q. AMHが低いと妊娠できませんか?

AMHだけで自然妊娠の可否は判断できません。卵胞数の目安であり、卵子の質を直接測る検査ではありません。年齢やほかの検査と合わせて考えます。

Q. 女性だけ先に検査してもよいですか?

受診を始めることはできますが、男性側の要因も少なくないため、精液検査は女性の検査と同時期に進めるのが効率的です。

横浜駅近くで不妊症の初期評価をご希望の方へ

横浜駅から徒歩6分、女性医師が月経や婦人科疾患を確認し、必要な初期評価とタイミング法についてご説明します。

当院は不妊治療認定施設ではなく、対応はタイミング法までです。卵管通過性検査、精液検査、排卵誘発、人工授精、体外受精・顕微授精が必要な場合は専門施設へご紹介します。
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この記事の執筆・医学監修

清水なほみ 医師
日本専門医機構認定産婦人科専門医
ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~ 院長

更新日・最終医学確認:2026年10月12日。本ページは一般的な医療情報であり、個別の診断・検査に代わるものではありません。

参考文献

  1. American Society for Reproductive Medicine. Fertility evaluation of infertile women: a committee opinion. 2021.
  2. 日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会.産婦人科診療ガイドライン―婦人科外来編2023.CQ318.
  3. 日本生殖医学会.生殖医療Q&A(旧 不妊症Q&A).

日付:2026年10月12日  カテゴリー:不妊症,婦人科の病気

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不妊症の治療|タイミング法から専門治療への進み方

 

不妊症の治療は、タイミング法を一律に何回、その次に人工授精を何回、という固定された順番ではありません。年齢、不妊期間、排卵、卵管の状態、精液所見、卵巣予備能、希望する家族計画を踏まえ、妊娠の可能性と治療負担のバランスを考えて選びます。[1][2]

 

当院は不妊治療認定施設ではないため、対応できる治療はタイミング法までです。排卵誘発、人工授精、体外受精・顕微授精などが必要な場合は、不妊治療専門施設へご紹介します。

 

治療方法は何で決まりますか?

  • 女性の年齢と妊娠を希望する時期
  • 不妊期間、過去の妊娠歴
  • 排卵の有無、卵管の通過性、子宮・卵巣の状態
  • 精液検査の結果
  • 子宮内膜症、PCOSなどの基礎疾患
  • 治療にかけられる時間、通院、身体的・心理的・経済的負担
  • 人工授精や生殖補助医療に対する希望

治療を始める前に、卵管が通っているか、精液所見に大きな問題がないかを確認することが重要です。卵管閉塞や重い男性因子がある場合、タイミング法を続けても妊娠につながりにくいためです。

タイミング法

タイミング法は、排卵日を予測し、妊娠しやすい時期に性交する方法です。月経周期、尿中LHを測る排卵検査薬、超音波による卵胞計測などを組み合わせます。

妊娠しやすい期間は排卵日だけではなく、一般に排卵の5日前から排卵日までです。特に排卵の1~2日前は妊娠につながりやすいため、排卵日を一点で当てることより、妊娠しやすい期間に1~2日おきに性交することが実用的です。[3]

基礎体温は排卵後の変化を振り返る参考にはなりますが、排卵時刻を正確に予測する検査ではありません。詳しくは基礎体温のつけ方とタイミング法をご覧ください。

排卵誘発

排卵がない、または不規則な場合に、内服薬や注射で卵胞の発育・排卵を促す治療です。原因に応じて薬を選び、超音波やホルモン検査で反応を確認します。

薬を増やせば妊娠率が単純に上がるわけではありません。複数の卵胞が育つと多胎妊娠の危険が高まり、注射薬では卵巣過剰刺激症候群(OHSS)にも注意が必要です。安全なモニタリングができる施設で行います。

当院では不妊治療としての排卵誘発は行っていません。排卵誘発が必要な場合は専門施設へご紹介します。

人工授精(IUI)

人工授精は、排卵時期に合わせて、洗浄・濃縮した精子を細い管で子宮内へ注入する治療です。性交障害、頸管因子、軽度の男性因子、原因不明不妊などで検討されます。

卵管で受精する点は自然妊娠と同じため、少なくとも片側の卵管が通っていることが前提です。年齢や精液所見によっては、人工授精を繰り返すより体外受精へ進む方がよい場合があります。

当院では人工授精を行っていません。適応の検討を含め、不妊治療専門施設へご紹介します。

体外受精・顕微授精

体外受精は、卵巣から採取した卵子と精子を体外で受精させ、育った胚を子宮に戻す治療です。顕微授精では、1個の精子を卵子の中に注入します。

両側卵管閉塞、重度の男性因子、ほかの治療で妊娠に至らない場合、女性年齢などから時間を優先したい場合に検討されます。採卵数、受精方法、胚凍結、移植方法は一人ひとり異なります。

日本では生殖補助医療の基本的な診療が保険適用となり、胚移植には女性の治療開始時年齢と回数の要件があります。治療開始時に43歳未満で、40歳未満は1子につき通算6回、40歳以上43歳未満は通算3回が原則です。制度と医学的な治療適応は別であり、最新の条件や費用は専門施設で確認してください。[4]

当院では体外受精・顕微授精を行っていません。

原因に応じた治療

  • 子宮内膜ポリープ・粘膜下筋腫:位置や大きさ、症状により手術を検討
  • 子宮内膜症:年齢、疼痛、卵巣予備能、妊娠希望時期を踏まえて手術または生殖医療を検討
  • 甲状腺・高プロラクチン血症:原因疾患の治療
  • 男性不妊:泌尿器科で原因評価、薬物治療・手術・生殖補助医療などを検討
  • 性交障害:原因に応じた相談・治療、人工授精などを検討

治療可能な原因を整えることと、妊娠までの時間を失わないことの両方が重要です。

専門施設へ紹介する目安

  • タイミング法を続けても妊娠に至らない
  • 35歳以上で妊娠を希望している
  • 40歳以上で妊娠を希望している
  • 卵管通過性検査や精液検査が必要
  • 月経不順・無排卵があり、排卵誘発が必要
  • 子宮内膜症、卵巣手術歴、卵巣予備能低下が疑われる
  • 人工授精・体外受精を希望している

紹介の時期に一律の正解はありません。年齢や病歴によっては、タイミング法を何回も行う前に専門施設で検査・治療を始める方が合理的です。

不妊症の治療についてよくある質問

Q. タイミング法は必ず6回行うのですか?

必ずではありません。年齢、不妊期間、卵管・精液所見、卵巣予備能などにより、より早く専門治療へ進むことがあります。

Q. 排卵誘発剤を使えば妊娠率は上がりますか?

無排卵など適応がある場合に有効ですが、排卵している方へ一律に使えばよいわけではありません。多胎妊娠などのリスクもあり、原因に応じて選びます。

Q. 当院で人工授精・体外受精は受けられますか?

受けられません。当院は不妊治療認定施設ではなく、対応はタイミング法までです。必要な場合は専門施設へご紹介します。

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横浜駅から徒歩6分、女性医師が月経周期、婦人科疾患、これまでの妊活状況を確認し、タイミング法についてご説明します。

当院で対応できる不妊治療はタイミング法までです。排卵誘発、人工授精、体外受精・顕微授精が必要な場合は専門施設へご紹介します。
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清水なほみ 医師
日本専門医機構認定産婦人科専門医
ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~ 院長

更新日・最終医学確認:2026年10月12日。本ページは一般的な医療情報であり、個別の治療方針に代わるものではありません。

参考文献

  1. 日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会.産婦人科診療ガイドライン―婦人科外来編2023.CQ319・CQ320.
  2. World Health Organization. Guideline for the prevention, diagnosis and treatment of infertility. 2025.
  3. American Society for Reproductive Medicine. Optimizing natural fertility: a committee opinion. 2022.
  4. 厚生労働省.不妊治療が保険適用されます.

日付:2026年10月12日  カテゴリー:不妊症,婦人科の病気

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基礎体温のつけ方とタイミング法|排卵検査薬の使い方

 

妊活に基礎体温は必須ではありません。基礎体温は排卵後に体温が上がったことを振り返る参考にはなりますが、排卵日を正確に予測する方法ではありません。測定が負担になる場合は、月経周期、排卵検査薬、超音波検査など別の方法を使えます。[1]

 

タイミング法では、排卵日を一点で当てるより、妊娠しやすい期間に複数回性交することが大切です。一般に妊娠しやすい期間は排卵の5日前から排卵日までで、特に排卵の1~2日前が妊娠につながりやすいとされています。[2]

 

基礎体温の正しいつけ方

  1. 婦人体温計を枕元に置く
  2. 朝、目が覚めたら起き上がる前に測る
  3. 体温計の先端を舌の裏側の付け根に当て、口を閉じて測る
  4. 体温、月経、性交、排卵検査薬、体調などを記録する

できるだけ同じ時刻に測りますが、多少ずれても記録をやめる必要はありません。夜勤、睡眠不足、飲酒、発熱、測定時刻のずれがあった日は、そのこともメモしておきます。

1日測り忘れても問題ありません。グラフを美しく二相にすることが目的ではなく、全体の傾向を確認するための記録です。

基礎体温グラフの見方

排卵後は黄体ホルモンの作用で体温が上がり、低温相と高温相の二相になることがあります。ただし、温度差や上がり方には個人差があり、毎周期きれいに分かれるとは限りません。

  • 低温相:月経開始から排卵前まで
  • 高温相:排卵後から次の月経前まで
  • 排卵時期:体温上昇の直前付近と推測できるが、後から見て分かる情報

一相性に見える、上下が大きい、高温相が短い場合でも、基礎体温だけで無排卵や黄体機能不全と確定することはできません。月経歴、超音波、必要なホルモン検査と合わせて判断します。

タイミングを取る日はいつ?

精子は女性の生殖路内で数日生存できるため、排卵後だけでなく排卵前の性交が重要です。妊娠しやすい期間は排卵の5日前から排卵日までで、排卵1~2日前の可能性が特に高いとされています。[2]

実行しやすい方法

  • 排卵が近い期間に1~2日おきに性交する
  • 排卵日が分からなければ、周期を通して週2~3回を目安にする
  • 排卵検査薬が陽性になった日と翌日を含める

「指定された1日だけ」にこだわると、予測のずれや心理的負担が大きくなります。生活に合わせて複数回の機会を作る方が現実的です。毎日性交しても通常は問題ありませんが、負担になるなら1~2日おきで十分です。

排卵検査薬の使い方

市販の排卵検査薬は、尿中LHの上昇を捉えます。陽性後、一般に1~2日以内に排卵する可能性が高いため、陽性当日と翌日を中心にタイミングを取ります。[1]

使い始める時期

製品の説明書にある「次回月経予定日の何日前から」という方法に従ってください。周期が不規則な場合は、最近の最短周期を参考に早めに始めるか、医師に相談します。

うまく陽性が出ない・何日も陽性になる場合

  • 測定開始が遅く、LH上昇を捉えられなかった
  • 尿が薄い、測定時刻が一定でない
  • 排卵が遅れている、または無排卵
  • PCOSなどでLHが高めに推移している
  • 妊娠、薬剤の影響など

2~3周期試しても判定できない、月経不順がある場合は、超音波など別の方法で確認します。

超音波での排卵時期の確認

経腟超音波で卵胞の大きさや子宮内膜を確認し、月経周期や排卵検査薬と組み合わせて排卵時期を推測します。1回の測定で排卵時刻を完全に特定できるわけではなく、卵胞の育ち方には周期ごとの違いがあります。

当院では、婦人科的な評価とタイミング法の範囲で超音波を用いたご相談に対応します。排卵誘発、人工授精、体外受精などが必要な場合は専門施設へご紹介します。

タイミング法を続けず相談した方がよい場合

  • 35歳未満で12か月、35歳以上で6か月妊娠しない
  • 40歳以上で妊娠を希望している
  • 月経周期が大きく乱れる、3か月以上月経がない
  • 強い月経痛、子宮内膜症、骨盤内感染・手術歴がある
  • 排卵検査薬が判定できない
  • 性交や射精が難しい
  • 男性側の病歴・精巣の問題がある

該当する場合は、基礎体温を何か月もつけてからではなく、早めに受診してください。

基礎体温とタイミング法についてよくある質問

Q. 基礎体温は何か月つけてから受診すべきですか?

記録がなくても受診できます。1~2周期の記録でも参考になりますが、測定が負担なら無理に続ける必要はありません。

Q. 排卵検査薬が陽性なら、その日だけでよいですか?

陽性当日と翌日を含め、可能なら陽性になる前から1~2日おきにタイミングを取ると、妊娠しやすい期間を広くカバーできます。

Q. アプリの排卵予定日は正確ですか?

アプリは過去の周期から推定するため、排卵がずれる周期では正確でないことがあります。排卵検査薬、体調変化、必要に応じ超音波を組み合わせます。

横浜駅近くでタイミング法をご相談になりたい方へ

横浜駅から徒歩6分、女性医師が月経周期、排卵検査薬、基礎体温、超音波所見を参考にタイミング法をご案内します。

当院で対応できる不妊治療はタイミング法までです。タイミング法以外の治療が必要な場合は専門施設へご紹介します。
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この記事の執筆・医学監修

清水なほみ 医師
日本専門医機構認定産婦人科専門医
ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~ 院長

更新日・最終医学確認:2026年10月12日。本ページは一般的な医療情報であり、個別の排卵日や妊娠を保証するものではありません。

参考文献

  1. American Society for Reproductive Medicine. Fertility evaluation of infertile women: a committee opinion. 2021.
  2. American Society for Reproductive Medicine. Optimizing natural fertility: a committee opinion. 2022.
  3. 日本生殖医学会.生殖医療Q&A(旧 不妊症Q&A).

日付:2026年10月12日  カテゴリー:不妊症

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不妊治療のゴール設定|いつまで・どこまで治療する?

 

不妊治療の医学的な目標は、妊娠反応が陽性になることだけでなく、安全に妊娠を継続し、健康な出産につなげることです。一方、どの治療をどこまで受けるかという個人のゴールは、年齢、家族計画、価値観、身体的・心理的・経済的負担によって異なります。

 

治療を始める前にすべてを決め切る必要はありません。ただし「この方法を何周期試したら見直すか」「どの治療までは受けたいか」「何を優先したいか」を言葉にしておくと、惰性で治療を続けることを避けやすくなります。治療中に考えが変わっても構いません。

 

不妊治療の「ゴール」とは

ゴールは一つではありません。医療としては妊娠・出産の可能性を高めることを目指しますが、ご本人にとっては次のような目標も大切です。

  • 自然に近い方法から始めたい
  • 一定期間で結果が出なければ次の治療へ進みたい
  • 年齢を考え、時間を優先して早めに生殖補助医療へ進みたい
  • 希望する子どもの数も含めて治療計画を立てたい
  • 仕事、通院、費用、心身への負担に上限を設けたい
  • 一度休む、治療法を変える、治療を終了する判断も選択肢として持ちたい

子どもを望む気持ちの強さと、すべての治療を受けることは同じではありません。どの選択をしても、その人の価値や努力を決めるものではありません。

治療開始前に整理したい6つのこと

  1. いつまでに妊娠を目指したいか:年齢だけでなく、仕事や家族計画も含める
  2. 子どもを何人希望するか:第2子以降も考える場合、治療開始時期や胚凍結の考え方が変わる
  3. どの治療まで受けたいか:タイミング法、人工授精、体外受精・顕微授精への希望
  4. 通院と仕事をどう両立するか:急な受診や採卵日への対応
  5. 費用の上限:保険診療と自費診療、交通費、休業なども含める
  6. 心身の負担が強い時の対応:休む基準、相談先、パートナーとの分担

パートナー間で希望が一致しないこともあります。どちらかの結論を急がせず、医師やカウンセラーから客観的な情報を得て話し合います。

年齢と検査結果をゴール設定にどう反映する?

女性の年齢は妊娠・出産の可能性に大きく関係します。35歳以上では妊娠しない期間が6か月になった段階で評価を始め、40歳以上ではより早い評価が勧められます。[1]

ただし、年齢だけで治療法を決めるわけではありません。卵管の通過性、精液所見、排卵、子宮・卵巣の病気、卵巣予備能、過去の治療反応を合わせて考えます。

AMHは卵胞数や卵巣刺激への反応を考える材料ですが、卵子の質や自然妊娠の可能性を単独で示す検査ではありません。「AMHが低いから妊娠できない」「高いから急がなくてよい」とは判断できません。

治療の見直し時期を決める

治療法ごとに、始める時点で見直し時期を決めておくと、同じ治療を目的なく繰り返すことを避けられます。

確認すること 見直しの例
タイミング法 排卵時期は合っているか、卵管・精液検査は済んでいるか、続ける時間的余裕があるか
人工授精 年齢、精液所見、実施回数、妊娠に至らない理由を再評価する
体外受精 採卵数、受精、胚発育、移植結果ごとに次の方法を検討する
治療全体 心身の負担、費用、仕事、パートナーとの考え、当初の目標を見直す

全員に共通する「タイミング法6回、人工授精6回」というルールはありません。年齢や原因によって、短く区切る場合も、負担を抑えて続ける場合もあります。[2]

妊娠率の数字を見る時の注意

  • 「1回あたり」か「累積」か
  • 妊娠率か、出産率か
  • 患者あたり、採卵あたり、移植あたりのどれか
  • 年齢別か、全年齢をまとめた数字か
  • 流産を含む臨床妊娠か、生児獲得か

施設の高い成功率だけで、自分の見込みをそのまま判断することはできません。年齢、原因、卵巣反応、治療歴を踏まえ、「自分の場合は、どの分母でどの結果を見ている数字か」を確認しましょう。

休む・変える・終えることも治療計画の一部

心身の負担が強い時に治療を休むことは、あきらめではありません。一方で年齢による影響が大きい場合は、休む期間が治療の見込みにどう影響するかを医師に確認した上で決めます。

主治医の説明に納得できない、選択肢が分からない、同じ治療が続いている場合は、セカンドオピニオンも選択肢です。施設を変えること自体が目的ではなく、現在地と選択肢を理解し、自分で決められる状態にするために利用します。

治療を終了する場合も、「治療が失敗した人」という意味ではありません。治療を続ける、休む、終える、別の家族の形を考えるという選択を、ご本人とパートナーが十分な情報のもとで選べることが大切です。

当院でできるゴール設定のサポート

当院では、月経や婦人科疾患の評価、妊娠前の準備、タイミング法の相談を通じて、今後どの段階で専門施設へ進むかを一緒に整理します。

当院は不妊治療認定施設ではなく、対応できる不妊治療はタイミング法までです。排卵誘発、人工授精、体外受精・顕微授精が必要な場合や、時間を優先した方がよい場合は、早めに専門施設へご紹介します。

不妊治療のゴールについてよくある質問

Q. 何回治療したらステップアップすべきですか?

一律の回数はありません。年齢、不妊期間、検査結果、治療反応、希望する子どもの数などで変わります。治療開始時に見直す時期を決めます。

Q. 治療を休むと妊娠率が下がりますか?

年齢や卵巣予備能によって、時間の影響は異なります。負担が強い時は、休む長さと医学的な影響を主治医と確認して決めましょう。

Q. セカンドオピニオンは主治医に失礼ですか?

失礼ではありません。現在の評価や選択肢を理解し、納得して方針を選ぶための方法です。検査結果や治療記録を準備すると役立ちます。

横浜駅近くで妊娠・不妊について相談したい方へ

横浜駅から徒歩6分、女性医師がこれまでの経過と希望を伺い、婦人科的な評価、タイミング法、専門施設へ進む時期についてご相談をお受けします。

当院で対応できる不妊治療はタイミング法までです。それ以外の治療が必要な場合は専門施設へご紹介します。
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この記事の執筆・医学監修

清水なほみ 医師
日本専門医機構認定産婦人科専門医
ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~ 院長

更新日・最終医学確認:2026年10月12日。本ページは一般的な医療情報であり、個別の治療成績を保証するものではありません。

参考文献

  1. American Society for Reproductive Medicine. Fertility evaluation of infertile women: a committee opinion. 2021.
  2. 日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会.産婦人科診療ガイドライン―婦人科外来編2023.CQ320.
  3. World Health Organization. Guideline for the prevention, diagnosis and treatment of infertility. 2025.

日付:2026年10月12日  カテゴリー:不妊症,婦人科の病気

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