HPVワクチンについて

HPVワクチンとは

HPVワクチン

HPVワクチンは、子宮頸がんの原因となる「ハイリスクタイプHPV」のうち、がんの原因となる頻度の高い「型」を予防するものです。２価や４価は、16型と18型の2種類を予防できます。９価は、16型・18型に加えて、31型・33型・45型・52型・58型の7種類を予防できます。半年間で3回の接種を受けることでほぼ100％の感染予防効果が得られるため、ワクチンによって子宮頸がんの65～89％を予防できます。
注：９価ワクチン「シルガード９」を１５歳未満で接種開始する場合は２回の接種になります。

HPVの変化

ワクチンに関するよくある質問をまとめました。

Q：性交渉の経験がない人しか接種できませんか？

A：ワクチンは予防の対象となるHPVの型に感染する前に接種する必要がありますので、性交渉開始前に接種することが推奨されています。ただ、性交渉の経験があっても、HPV16型・18型・31型・33型・45型・52型・58型に感染していなければワクチン接種の意味はありますので、性交渉後の方でも接種は可能です。確率的に、７種類に同時感染しているリスクはとても低いので、例え性行為開始後であっても、できるだけ若いうちに接種することをお勧めします。

Q：ワクチンを打ってもいい年齢は決まっていますか？

A：９歳未満の方はワクチン接種の対象になりませんが、９歳以上であれば何歳でも接種は可能です。ただし、HPVに感染したことのある人の割合は年齢が上がるとともに高くなっていきますので、ワクチンの効果は下がっていくことになります。すでにHPVの対象となる型に感染していた場合はワクチンの効果は期待できません。その点をご了承いただければ年齢の上限はありません。

Q：ワクチンを打った後いつから性交渉してもいいですか？

A：ワクチンの効果は、２回の接種である程度得られます。３回目の接種は、その効果を十分に定着させるための接種になります。したがって、３回目の接種が終わっていれば、そのすぐ後から性交渉をしても予防効果は期待できます。性行為の経験がない方が、ワクチンを接種する場合は、３回の接種が終わるまでは性交渉を控えておくことをお勧めします。

Q：何年か経ったらワクチンの効果がなくなったりしませんか？

A：接種後少なくとも7年間は十分な効果が持続していることが確認されています。これは、7年経ったら効果がなくなってしまうという意味ではなく、研究で確認できているのが7年までということです。今後さらに追跡が進めば、もっと長期間効果が持続することが確認されると考えられます。今のところ、ほぼ一生効果は持続すると予測されていますので、1クールきちんと接種すれば再度接種する必要はありません。

Q：ワクチンを打てば子宮がん検診は受けなくてもいいですか？

A：ワクチンで予防できるのは、HPV16型・18型の2種類または、31型・33型・45型・52型・58型を加えた7種類のみで、その他のHPVは予防することができません。ワクチンのターゲットとなっている「型」以外のもので発生する割合は、子宮頚がん全体の約１割です。つまり、子宮頸がんのすべてを予防できるわけではありませんので、たとえワクチンを打っても子宮がん検診は必ず受ける必要があります。

Q：子宮がん検診で異常が出たことがあるのですがそれでもワクチンは打てますか？

A：子宮がん検診で異常が指摘されていても、HPV16型・18型・31型・33型・45型・52型・58型のすべてに感染していなければワクチン接種の意味はあります。ただし、ワクチンは新たな感染を予防するもので、すでに感染しているウイルスを排除したり、病変を改善したりする効果はありません。

Q：ワクチンを打つ前にHPVに感染しているかどうかを調べることはできますか？

A：HPVハイリスクタイプに感染しているかどうかを調べる検査と、HPVのどの｢型｣に感染しているのかを調べる検査があります。どうしても感染の有無を確認してからワクチンを接種したい場合は、これらの検査で調べることができます。ただし、一般的にワクチン接種前に感染の有無を確認する必要はないとされています。

Q：費用はどのくらいかかりますか？

A：ワクチンは保険がきかないのでほとんどの方は自費になります。
当院では、4価ワクチンは1回18,000円で行っております。3回分一括でお支払い頂く場合は52,000円です。９価ワクチンは、１回30,000円です。但し、横浜市在住であれば、小学6年生～高校1年生相当の対象年齢の方およびキャッチアップ接種の対象年齢の方のみ公費負担（無料）になります。