受けておいた方がいい検診
子宮頚がん検診
子宮の出口の細胞を擦り取って調べる検査です。
20代~30代の女性に最も多い癌が子宮頸がんです。子宮頚がんの原因となるHPVは、性行為によって感染します。そのため、10代でも性交経験のある方は、子宮癌のリスクがあるということになります。
20代や30代での早期子宮がんの発見は増えてきており、年齢を問わず、検診の必要性が指摘されています。子宮頚がんは早期(0期叉は1a期)に発見されれば、子宮の一部叉は子宮全部をとることでほぼ完全に治療する事が可能です。しかし、早期の場合自覚症状はほとんど出ません。
不正出血や接触出血(性交後の出血)といったはっきりとした自覚症状があったときには、進行癌になっていることも少なくありません。治療可能な早期のうちに癌を発見するためにも、1年に1回の定期検診をお奨めしています。
HPV併用による子宮頚がん検診
細胞診によるがん検診に、HPV検査を併せて行うことによってより正確に確実な検診を行うことができます。
がんに近い状態の「前がん病変」も含めた異常を検出する精度が、細胞診だけでは86%、HPV検査だけでは94%ですが、併用すると100%になります。つまり、細胞診とHPV検査の両方が「異常なし」だった場合、検査の時点では100%子宮頚がんではないと言えます。
両方が「異常なし」であった場合、次の検診は3年先になりますので異常がない方の検診間隔をあけられるという意味でも有用な検診です。
子宮体がん検診
閉経前後に増えてくる子宮の奥の癌を、内膜細胞をとって調べます。40歳以上で、ホルモン療法をしている人・肥満の人・出産をしたことがない人・月経不順の人は受けておいた方がいい検診です。以前は子宮がんのうち多くは子宮頚がんでしたが、最近は食生活の欧米化やお産をしない人が増えてきた影響で、子宮がんの半分を子宮体がんが占めるようになってきました。特に、閉経後の不正出血は子宮体がんのサインである可能性があるので注意が必要です。
乳がん検診
30歳から増え始め、40代~50代の女性で最も多いのが乳がんです。20人に1人が乳がんになっていますので、30歳を過ぎたら1年に1回受けておくべき検診です。
また、ホルモン補充療法を5年以上続けていると乳がんのリスクが上がるという報告があります。ホルモン補充療法を受けている人や家族に乳がんの方がいる人は、特に気をつけて検診を受けるようにしましょう。
性感染症検診
クラミジアやHPVの感染率が高いのは10代~20代前半の人です。最近の性感染症の特徴は、感染してもほとんど症状が出ないことです。特に女性はクラミジアも淋菌も半分以上の方が何の症状もなく感染したままになっています。
症状が何もなくても、パートナーが変わったら一通りの性感染症検診を受けておくことをお勧めします。
妊娠前検診
これから結婚や妊娠を考えている人が受けておいた方がいい検診です。
妊娠前に性感染症や子宮の異常の有無を調べておいた方が妊娠中のトラブルを減らすことができます。また、最近は風疹にかかったこともなく予防接種もしていない人が増えてきましたから、風疹抗体の有無も妊娠前に確認し、抗体がなければ先に予防接種をしておくことをお勧めします。